人生には1,000万円以下のポルシェが必要である。
ポルシェからニューモデル2車の受注開始のお知らせが。正式モデル名は『718ケイマンT』と『718ボクスターT』。ポルシェ通の皆さんへは今さら説明するまでもありませんが、T＝ツーリングという意味をもちます。
Tというグレードは意外と歴史があり、1968年の911に初めて設定されました。EやSといった上級モデルに対し、Tモデルはスペック的にスポイルされた装備内容でしたが価格的には最廉価。必要にして十分な仕様であの911が味わえると人気モデルに成長。現行の992型911へもいずれ設定されるのではと期待されています。
今回718ケイマンとボクスターに設定されたTモデルは、エントリーモデルにあたる2リッターエンジン搭載車に、走りにこだわるスポーツ派が選ぶ追加オプションを最初から装備した仕様となっています。つまり、パフォーマンス的にはちょい落ちどころか格上げに。それでいて価格的にはアレコレ追加するより5～10％オトクといいます。
装備内容はこれまで2リッターモデルに設定のなかったPASMスポーツシャーシの採用がトピックとなります。スポーツクロノパッケージ、トルクベクトリング、機械式LSD、PDKなど、走りに貢献する装備はいわゆる全部乗せ状態。20インチホイール（標準は18インチ）の装着はエクステリアの見所でしょうか。
税込車両本体価格はクーペの『718ケイマンT』が893万2,000円(標準車740万6,668円)、オープンモデルの『718ボクスターT』が932万2,000円(標準車780万3,890 円) 。日本導入モデルは7速PDKのみの設定ですが、ステアリングの位置は右・左どちらも選べます。
欧州仕様にはマニュアルトランスミッションの設定があるのですが、インポーターであるポルシェジャパンに聞くと、あの911でさえTモデルといえどもPDKを選ぶ方が超多数派なんだとか。こんなデータに触れるとオジサンは寂しい気持ちになりますね。おさらいの意味で2リッターモデルのスペックを記載します。
【Porsche 718Tシリーズ / 2リッターモデル】
エンジン：水平対向4気筒ターボ
排気量：1,988cc
最高出力：220kW(300ps) / 6,500rpm
最大トルク：380Nm / 2,050-4,500rpm
ボア×ストローク：91.0×76.4mm
0-100km/h：4.9sec (スポーツクロノパッケージ装着車)
最高速度：275km/h
※欧州仕様PDK装備車のデータ
いまや1,000万円を切るポルシェの新車は718系とSUVのマカンに残るのみ。夢の911ともなればエントリー価格は約1,400万円もします。しかし、1,000万円なら、なんとか夢がもてます。
これはポルシェに限ったハナシではありませんが人気車を購入する場合、実現可能なら新車で購入した方が保証やメンテナンスパック、低利な支払いプランの恩恵で、結果的に消費金額が安上がりになります。リセールバリューも言わずもがな。
ポルシェのスポーツカーとして装備面で妥協のない718系のTモデル。GT3などと同様にストラップ式ドアハンドルの採用(車内側)がレーシーで気分も上がります。スペシャルカラーとして、ラバオレンジとマイアミブルーも選べるのでじっくりご検討ください。
Text：Seiichi Norishige
■Porsche 718 Cayman T // Tim Schrick // Bilster Berg
