ついに本領発揮。エレガントなDSが待ち遠しい
3月5日から開催予定だったジュネーブモーターショーが急遽中止に。コロナウイルスを懸念したスイス政府の意向を受けて主催者が判断したのですが、こんな状況だとまさにリーマンショック級の経済危機といえるのではないでしょうか。
アミューズメントパークは休園し居酒屋さえも閑古鳥。こんな調子では夏を前に倒産する企業も出るでしょう。いまこそ冷静に、ウイルス対策や経済対策、国民への説明が必要なのですが、目に映るのは不安になる要素ばかり。安心・安全の常套句さえむなしく響きます。皆さんも十分にご注意ください。
さて、気を取り直して。この状況に出展予定だった自動車メーカー各社は、新技術や新型車の発表をストリーミング配信に切り替えました。しかし、欧州各社は以前から発表会の模様を配信していましたので、そう大きな混乱はないと思われます。この原稿がアップされる頃には配信を終えているでしょうが、YouTubeやオフィシャルサイトにアップされますのでご安心ください。
ジュネーブで華々しくワールドプレミアされる予定だったモデルは数多くあるのですが、そのなかでも、ブランド力とリアルに手が届きそうな価格で選ぶとワタシはフランス車の
『DS 9 E-TENSE(イーテンス)』をプッシュします。すでに日本のオフィシャルサイトにアップされていますので日本導入は確実&時間の問題です。
これまでDSブランドにはクロスオーバーモデルしかありませんでした。しかし、DSというブランドそのものは大統領専用車に採用されるなど、フランス車のなかでは最高級車という位置付け。やはりラグジュアリーな“王道のセダン=クラシック”が必要でした。これはとても感覚的なことですが、培われた概念はそう簡単に翻ることはありません。
『DS 9 E-TENSE(イーテンス)』は全長4,930mmのPHEVモデルです。ガソリンエンジンとモーターを組み合わせたパワーユニットは、最大システム出力360hpを発生。バッテリーだけでも最大50kmほど走れるそうです。
このモデルの見所は細部にわたるディテールです。わかりやすい部分ではリアウインドのピラーに設けられたウインカーレンズでしょうか。このレイアウトは初代DSに通じる部分であり、ブランドを象徴するデザインといえるでしょう。数え上げるとキリがありませんが、ルームライトの四角いレンズ形状など、このクルマを所有するトリビアにあふれています。
ちなみに、ダッシュボード中央の時計は収納式。採用されたブランドはフランスの「B.R.M」です。アヴァンギャルドなコラボレーションも『DS 9 E-TENSE(イーテンス)』の魅力を高めているといえるでしょう。
詳細なスペックや導入時期は正式アナウンスを待つしかありませんが、イケてる40代にふさわしいモデルであることは間違いありません。メーカーによるキャッチコピーは『THE POWER OF ELEGANCE』。皆さんによる評価が楽しみです。
Text:Seiichi Norishige
■The new DS. The power of elegance.