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FASHION

伝統を革新せよ
日本の着物がムスリムファッションと出会ったら

2016.6.1
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2016.6.1

急拡大する世界16億人市場への挑戦

華やかなファッションショーのステージ。今年3月10日に開催された、インドネシアの一大ファッションイベントである、「インドネシアファッションウィーク」の一幕だ。ランウェイに現れたのは、選りすぐりの美女モデルたち。だが美女は美女でも、ヒジャブと呼ばれるムスリム衣料を身に着つけた女性モデルばかり。しかも良く見てみると、どうやら日本の着物生地で作られているではないか。実はこれ、和素材による洋服やファッション小物を扱う、株式会社ふく紗(愛媛県松山市)が出展したショーなのだ。もちろんいずれも「メイドインジャパン」。同社は14年末、ムスリム向けの衣料品開発をはじめ、約1年の準備期間を経て、今年の出展にこぎつけた。代表取締役の伊東信二さんが話す。

「ムスリムファッション業界で、日本の着物素材で服を作ったのは初なんだそうです。もちろんはじめは手探りでした。まず昨年3月、インドネシアへ飛び一週間ほど市場調査をしました。その時、サンプルを作って持っていったのですが、親日派の方が多く、桜模様などの、日本の着物に対するイメージが好感でしたね。日本のイメージは何と言っても桜なので、桜の小柄は大人気でした。商品をプレゼンしてみても、どこも反応が良い。これは和素材のムスリム衣料を販売するために、まずお客様の目にふれるようなファッションショーに出ないとダメだと思いました。早速、ファッションショーに向けて準備をはじめ、私自身もそれまでに五回、インドネシアにわたり打合せや調査を重ねたんです」

インドネシアは、およそ2億1900万人と、世界一多くのムスリムが暮らす国だ。14年にジョコ・ウィドド新大統領が就任し、一気に民主化が進んでいることも影響し、自由な気風が高まっている。イスラム教の戒律が記される聖典コーランには、ムスリムの衣服について、柄や色までは規制がない。女性は美しさ(肌)を見せてはいけない、動物の柄はいけないという制限はあるが、それをクリアすれば自由なのだ。イスラム教徒も、若者を中心に派手なファッションが好まれるようになっているという。それゆえ最新のファッション発信地でもある。また日本文化の認知度は高く、その興味は化粧製品等にはとどまらず様々な日本文化に及ぶ。伝統的な和織物の品質の高さや、日本的イメージそのものがファッション関係者の目を引いたのも自然なことと言えるだろう。同社製品は、まだインドネシアで展開していないが、ムスリム向けのホームページの作成に着手しているという。ファッションモールからの問合せや、現地の西武百貨店などから問合せもきている。さらに「シャフィラ」という、インドネシア国内に約150店舗の直営店を持つ同国最大のムスリム衣料メーカーから、オリジナルの着物地衣料を共同開発して欲しいとのオファーも受けているのだ。

ブランド名は「ちはるコレクション」。富裕層に向けて、日本円にして約8~15万円の間の価格帯で売り出す予定だ。日本製の高品質な絹100%着物にこだわるので、どうしてもそれくらいのコストはかかってしまうという。インドネシアの物価事情を鑑みると、衣料品に10万円以上出せるのは最たる富裕層だけ。一般のインドネシア国民の初任給は、約2万円ほどだからである。それでもこういった和素材のものを身につけたいという若者が多いという。その為、綿や麻などを素材とし、価格も2万円以下とリーズナブルに設定した、一般向けのブランドも同時に開発中だ。そのくらいの価格帯なら一般層にも受け入れられるとの狙いだ。日本では侘び寂びが好まれるが、インドネシアは暑い国だからか、派手な色目が人気だ。小紋柄で派手な色目の生地が好まれる傾向で、今回の着物生地もそういう趣向で展開したそう。だが灼熱のインドネシアで、着物は暑くないのか。

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