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LIFESTYLE Special Talk

【緊急対談】ロバートハリス×干場義雅「EXILES〜放浪者〜」(後編)

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山本:ロバートさんってヒッピーだったのに今はシックな格好されてますね。

ロバート:日本に帰ってくるまでは結構変な格好してたんですよ。インドの、小さい鏡が付いている帽子をかぶったり、バリ島のベストを着たりしてね。日本に89年に帰ってきたあともずっとそのファッションを貫いてたんですよ。91年に「BA-TSU」っていうアパレル会社の広報やってた今の奥さんに会ったんですね。

夏になると鮮やかなアロハ着たり、変な帽子かぶったりしていた僕の格好をみて、「それも良いけど、これからラジオとかメディアでやっていくんだったら、もうちょっと変えた方がいいかもよ」って言われて。

セレクトショップに連れていってもらってTシャツとかっこいいジャケットとかっこいいジーパンとマフラーみたいなのを選んでもらって、髪も切って。それからずっとこういう感じなんです。



干場:奥さんの影響なんですね。

ロバート:そうですね。僕も「都会に住むんだったらこれだろう」ってそのスタイルが好きになりました。

干場:なるほど、都会に染まったんですね。

山本:ヒッピー文化に染まりながらもちゃんと作家をされたりとか、全然「ピース」って世界観に溺れることなく社会活動をしていますよね。

ロバート:そうですね。でも僕、ダサいヒッピーもいっぱい会ってるんで、そういうのを見てきて「こういう生き方したくないな、もっとカッコよく都会で生きてたいな」と思って。

今もまだヒッピーやっているシドニーの仲間もいるんですけど、僕はどうも都会派なんですよね。横浜で育ったんで。都会の元ヒッピーと、田舎の現ヒッピーとの交流もお互い刺激的でいいもんですよ。

今でも下田の山奥にいる長い髪をしたヒッピーの長老みたいなのが僕に会いに来ますよ。しょうちゃんという70歳の男なんです。



干場:ヒッピーってまだ日本にもいらっしゃいますよね。

ロバート:いっぱいいます。僕、日本のヒッピーの“上の方”なんですよ。日本のヒッピーていうのは年功序列なんです。

ヒッピーの仲間と詩の朗読のイベントやって、みんなで居酒屋の畳の部屋に行ったんですよ。“ドクターセブン”ていう僕の2歳下のヒッピーの親分みたいなのがいるんですけど、若い奴が上座に座ろうとしてたら、「ちょっと待て、そこはロバートさんが座る席だろ」って(笑)。

「あんた、ヒッピーだろ?」って言いたくなりますよね。ヒッピーならそんなのどうでもいいじゃんて。

山本:ピースじゃないんですね(笑)。

ロバート:そこんところはピースじゃないんですよ。体育会系なんですね。

他にも面白いヒッピーはいっぱいいますよ。中でも1番すごいのがさっきも言ったしょうちゃんという友達で、灯りもない下田の家で電池で僕のラジオ番組を聴いてくれるくらい僕のファンで、3ヶ月か半年に1回くらい会いに来てくれるんですよ。

しょうちゃんって、イカツいジュエリーをガバッと付けて、ほんとに仙人なんですよ。
「ロバート〜」みたいに来るんですけど、大きい杖を持って、髪が真っ白でドレッドを束ねてヒゲ生やして、いつも変な麻のカバンを持ってるんですよ。

この前、そのバッグが気になって「しょうちゃん、そのいつも持ってるの何?」って言ったら、「僕の毛」って言うんですよ(笑)。「僕ね、毛がドレッドなんだけど、50年伸ばしてるから地面についちゃうの。重いから持ってるんだけど袋から出したの見る?」っていうからお願いしたら、ほんとにドレッドで、床までついちゃう長さなんですよ。
誰がみてもびっくりしちゃいますよね、そういう人がいたら。

山本:ドレッドって自分でやるんですか?

ロバート:そう、自分でドレッドにするんです。しかもあの髪ってすごい甘い匂いがするんですよ。ヒッピーって、すれ違ったらいい匂いしません? 

おもむろにカバンからエッセンスを取り出したロバート氏。

ロバート:僕もなんとなくそういうアロマが好きなんですけど、「もう少し都会的なアロマ付けなよ」って奥さんに怒られるんだけどね。僕が今つけているのはAesopの「マラケシ」というのなんですが、すごいヒッピー的なお香っぽい匂いがするんです。悪くないでしょ?

マラケシのかぐわしさに昇天間近の干場氏。

干場:(くんくん…)おぉ〜。なるほど!

山本:いい香り♡ 私、ヒッピーさんっててっきり髪にお香を焚きしめてるのかと思ってました。アロマつけてるんですね。

ロバート:違いますよ。髪のオイルでこういう匂いがするのもあるんですよ。

ヒッピー的な香り、マラケシ。



山本:すごいな〜。ロバートさんの話を聞いていると、人生を謳歌するってこういうことなんだなって刺激受けます。

ロバート:でもきっと僕と一緒にいる女性は大変でしょうね。

山本:ロバートさんとお付き合いしたあとは他の男性が物足りなくなっちゃうかもですね。刺激が強すぎて(笑)。

ロバート:それはどうですかね(笑)。妻は最近「年齢的にはあなたが先に逝くと思うんだけど、あなたが死んだらつまらないな〜」って言ってましたね。一番嬉しい褒め言葉だなと思って。でも最近は娘とデートしてます。娘が自分の友達と遊ぶより、僕とデートするほうが楽しいって(笑)。

山本:ロバートさんには何を聞いてもいろんなエピソードが沸いてきそうですもんね。

ロバート:言えないことばっかりですけどね。でも娘は俺のことよく分かってて、この間娘の学校でトークライブしたとき、タイプとしてはどストライクの同級生の女の子を前列に座らせてきたんです。

講演が終わったあとおもむろに「彼女、パパのタイプでしょ、私が送り込んで、一番前に座らせたのよ」って。
一本取られちゃいましたね(笑)。

photo: Mitsutoshi Watanabe
text: Makiko Yamamoto

<編 集・山本真紀子 プロフィール> 山本真紀子(やまもとまきこ)早稲田大学卒。某メガバンク総合職退職後、株式会社JunoJapan設立。アパレルブランドPR等ファッション関連ビジネ スを経て、ライフスタイルマガジン「ADVENTURE KING」編集長(2012〜現在)/女性誌「MARIA oriente」編集長。趣味ランニング、飲酒。旅とワインをこよなく愛する冒険野郎。

 



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