■RX350hの魅力は高い残価率
RXの先代モデルは、残価率が異常に高いとして有名だ。現行モデルは2022年11月の登場とまだ日が経っていないことに加えて、コロナ禍の影響で生産台数が絞られていたため、相場を分析できるほどデータが整っていないのだが、中古車買い取り専門店の担当者によると、RX350hは、先代モデルの傾向から考えれば、高査定が狙える条件がそろっているという。
その担当者によると、中古車輸出のバイヤーが、日本の中古車オークションで、高年式のハイブリッド車を高値で落札しまくっているという。ハイブリッド車はアジア諸国で需要が高くなっているそうで、特にRXは、先代モデルの頃からハイブリッド車が大人気。現行RX350hも1年落ちの残価率が101パーセント(※某買い取り専門店調べ)と、他のグレードと比べて異次元に高くなっている。
ターボエンジンやプラグインハイブリッドの強烈な加速性能は不要、また雪が降らない国向けなのでFFでOK(4WDが不要)。魅力的な内外装かつ、静かで滑らかな走りを味わいたい。こうした需要に応えられるのが、バランスのとれた350hのFFモデルなのだ。
ちなみに、ガソリン車のRX350も同じく、ガソリン車が輸出されていく国向けには抜群の人気車で、1年落ちの残価率は、100パーセント超という状況らしい。見てよし、乗ってよし、2~3年以内に売ればなおよし。これが筆者がRX350hのFFを推す最大の理由だ。
■今後の売れ筋モデルは、RX350hとRX350になるはず
2024年5月のRXの登録台数で、最も多かったのは、RX500h(768台)、2番目がRX350(512台)、3番目がRX350h(385台)であった。この結果は、RX500hの人気が高いというよりも、RX350hの国内配車台数が少なかったことも影響している。
レクサスのアナウンスによると、RXの工場出荷目途は3ヵ月にまで短縮されている(6月14日情報)ことから、RXの登録グレード台数競争は、今後はRX350hとRX350で競っていくことになるはずだ。このどちらかを購入しておけば間違いないだろう。購入即転売するような乗り方は断じてお薦めできないが、1度目の車検の手前で手放せば、驚くほどの下取り査定が出るかもしれない。
文:吉川賢一
写真:レクサス