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蒸し暑くてやり切れない…昔の日本人は「大暑」の時期に何を着ていたのか?

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木綿の普及は江戸時代。じゃあその前は何を着ていたの?

毎日酷暑が続きますが、日本古来の暦である「二十四節気」でいうと、いまは大暑と呼ばれる時期。

一年でもっとも暑さが厳しく感じられる頃で、体力を保つために鰻を食べる「土用の丑」や、各地でお祭りや花火大会もこの期間にたくさん行われ、夏の風物詩が目白押しな季節です。楽しいことが目白押しな時期ですが、やっぱりここ最近の暑さは災害級ですよね。

そんな夏を先人の教えをヒントに華麗に過ごす紳士がいます。

御年79歳、60年近くファッション業界に身を置く赤峰幸生氏。「ユキちゃん」と呼ばれ、多くのファッション好きに慕われる赤峰氏は、「クラシック」を大事にしており、洋服を文化人類学的観念から捉え、人生観にまで落とし込んでいます

そんな赤峰氏は大暑を乗り切る秘訣は「麻」だと言いきります。

シルクのような麻

「今皆さんが普通に着ている綿(コットン)やウールは西洋から来たもので、木綿が全国に普及するのは江戸時代でした。そのため、江戸時代前までは絹と麻しかなく、木綿より柔らかい麻が衣類に使われていました。歴史的には麻が一番着られてきた素材です。そのため、日本各地では色々な麻が用いられて服が作られていました。

そんな中でも注目したいのが、「高宮布」というもの。東海道五十三次の高宮宿(近江国)あたりで生産された布なんですが、大麻なのにシルクのような柔らかい麻布なんです。

現代でスーツ生地の「耳」に社名やブランド名、生地の打ち込みなどが記載されているのと同じように、合格した布には朱印が押してありました」

大麻布は素肌にも優しい

江戸時代の赤ん坊の「産着」は木綿、平安や鎌倉時代では大麻の柔らかい産着を使っていました。古くから素肌に着られる麻があったんです。このような先人たちの知恵から着想を得て、江戸時代の文献にあったものと同じ布の風合いを目指した「麻世妙(majotae、まよたえ)」という新素材も誕生しました。

イイオトコは真夏にアイリッシュリネン

江戸時代以前の先人たちが麻を用いていたように、現代の酷暑も麻(リネン)で乗り切ってみてはどうでしょうか。

写真で赤峰先生が着用しているダブルブレストスーツの素材は、アイリッシュリネンギルドのメンバーが生産するアイルランド製アイリッシュリネンの老舗メーカー「スペンスブライソン」のアイリッシュリネン(亜麻)。

美しい光沢とソフトな風合いは、暑い夏でも快適な気分にしてくれます。

いかがだったでしょうか。たまには先人たちの知恵を取り入れてファッションを楽しむのも悪くないでしょう。まだまだ暑い日は続きますが、麻素材で爽やかに過ごしましょう。

TEXT:FORZA STYLE



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