アプリ課金にありがちなのだが、こういったシミュレーションゲームには、ストーリーを先取りしたり、相手の男性にアイテムを贈るのに一定の課金が必要になる。
また、特別なイベントに参加するためには、普段より大量の課金が必要だった。
そして、ゲーム内には課金をしたユーザーのランキングが掲載され、ユーザー間の競争心を上手に煽り立てるような工夫がされていた。
羽菜は自分の推しキャラが「誰よりも一番輝いて欲しい」という想いから、1回1万円をするカードを数枚、数十枚と買い求めるようになり、ついには貯金を切り崩してまで、アプリ課金をするようになった。
そしてあろうことか、夫のスマートフォンの「キャリア決済」を利用してまで、ゲームカードを購入するようになってしまったのだ……。
「僕が気が付いた時には、すでにアプリ課金のカード請求は100万円を優に超えていました。そして、僕たちが一生懸命2人で貯めた貯金も、ほとんどアプリに使われてしまっていたのです……」
隆は息を詰まらせながら、悔しそうに当時のことを振り返っている。
「結婚のために仕事をしてきたのに、いつの間にかすれ違いが生まれ、そしてゲームの中の架空の男性に全てを奪われてしまうなんて……こんな悲しいことはありません……」
RANKING
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