【後編】医療現場で繰り広げられるシンママの泥沼不倫。その「悲惨な末路」が目も当てられない……。

エリはその日、言われるがまま退職の手続きをし、職場や託児所に置いてある荷物を急いで片付けて病院を後にした。

最後に一度だけコウジと電話をしたが、「悪いとは思っている。でも俺も立場があるから分かってくれ」とそっけなく言われて切れてしまった。それ以降、LINEも電話も一切通じない。

自分も好意を抱いていたとはいえ、交際を申し込んできたのはコウジだ。告白さえされなければ、気持ちを抑えていられたかもしれない。それなのに全部のツケが自分に回ってくるのはおかしいと思いながらも、転職から日が浅かったエリは同僚や友人に相談することもできなかった。

不倫はそれだけ罪深いことだ。しかし、医療業界では人員の確保が難しいため、役職に就いていると不倫をしても黙認されてしまう場合も多い。その結果、立場が弱い方が罪を被るしかなくなってしまうのだ。

２歳の息子と２人、仕事も家も失うことになってしまったエリがどうなったかは、誰も知らない。

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