【後編】婚活アプリの闇。既婚男性に心まで奪われた35歳OLに足りなかったモノ。

あれから明子はマッチングアプリを退会し、結婚相談所に登録した。

マッチングアプリは独身証明書を義務づけることはないが、結婚相談所なら独身証明書の掲示が必須な上に、最近の結婚相談所はスタッフが会員や会員家族と面談を行うので、既婚者が潜伏していることはまずないはずだ。

あの女からの嫌がらせを経験し、もう既婚者との交際はまっぴらだと思った。

今、明子は結婚相談所で知り合った40代前半の男性と交際をスタートしている。

交際スタートとはいえ、明子が登録している結婚相談所では成婚にならなければ体の関係が持てないという決まりがあり、体の相性がいいかどうかはわからない。

彼は見た目も地味で、会話の内容もつまらない。でも今交際している彼なら実家も太そうだし、女遊びしそうな雰囲気でもないから間違いはないだろう。

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ただ、正直のところ彼といくらデートを重ねても、別れた既婚者男性の顔がチラついてしまうのだ。

別れた彼は見た目も好みで、話題も豊富。体の相性も抜群に良くて「絶対に手放したくない」とすら思ったほどだ。

今交際中の彼なら、「心変わりした」と言われても「あら、そうですか」で終わってしまいそうだというのに、彼は「既婚者」と聞かされても関係を継続しようか迷ったほど。