こんなクラシックデザインのパジャマ、見たことない!?
日本の服飾業界の重鎮として活躍している、ファッションアドバイザー・赤峰幸生氏。御年77歳でInstagramのフォロワーは3万5000人超、服飾のみならず、アートや歴史の分野にまで及ぶ博覧強記で、老若男女を問わずたくさんの方々に支持されています。
そんな赤峰氏が語る、誰も教えてくれなかった「紳士服の教科書」。今回は、おうち時間の最高のリラックスウェアである、スリープウェア=パジャマを講釈。ドクトルが愛用しているパジャマはやはりひと味違って、さすがのクラシックタイプです。
人生の3分の1は睡眠時間。ドクトルがいつものパジャマで登場!
朝、スーツを着て、ネクタイを締めると「さぁ、仕事をするぞ!」とテンションが上がるように、夜、パジャマに着替えることで、「おやすみなさい」というスイッチが入って、身も心も安らぎます。

また、スウェットやTシャツで寝ているFORZA世代も多いと思いますが、パジャマは締め付けが少なく、寝返りなどの動きを妨げないので、結果として質の高い眠りをサポートし、汗やムレなどから身体を守るという衛生面でもメリットがあります。

さて、ドクトル赤峰が着ているのは、白地に細いネイビーのパイピングが施されているパジャマで、「白のパジャマは汚れやすいので、3枚とか6枚まとめて買います。これは下ろす前のパジャマなので清潔ですよ」とご自慢!
ヨーロッパのクラシックなパジャマは、パンツが違う!
いつも着ているパジャマのパンツはちょっと形が変わっていて、いわゆる“社会の窓”がないボタン式の前開きタイプ。内側にもボタンがあって留めて穿きます。

なんでも、昔のヨーロッパの人は、股下でスナップを留めるクロッチ付きのシャツで寝ていたそうで、それがやがて、シャツとパンツに分かれていったそう。パジャマも歴史を紐解くと面白そうです。

このようなクラシックなデザインのパジャマは、アガサ・クリスティーの映画に出てくる名探偵エルキュール・ポワロや、英国紳士の権化であるデヴィッド・ニーヴンなどが愛用しているイメージがあります。

昔の紳士はこういうパジャマに、頭に黒い網のネットを被って休んでいました。ぜひみなさんも参考にして、お気に入りのパジャマで身体をしっかり休ませてくださいね。
モダンなパジャマを探しているフォルツァーには、デレク ローズを推奨!
パジャマやナイトウェアで有名な英国ブランド、デレクローズがリリースしているモダンフィットパジャマは、「シャツジャケットのような感覚で着る」ことから生まれたもので、着てみるとまさに上に羽織るアウターウェア感覚。人に見せるためではないオシャレアイテムという立ち位置も面白い。
【英国紳士御用達】デレク ローズのナイトウェアで就寝時もお洒落を楽しもう

ファッションでルーズフィットが流行するようになって、パジャマのようにゆるっと着られる「パジャマシャツ」や、ウェストが紐タイプでルーズなシルエットの「パジャマパンツ」なども若者の間では人気のタウンウェアになっています。おうち時間が見直される昨今、“衣服の内外”がさらに混じり合ってユニークなアイテムが誕生するかもしれません。
Text:Makoto Kajii.