クラシックとモードの中間をいくスーツブランド
FORZA:勉強になります。ちなみに、今日のスーツはどちらのものなんですか? ファッションヲタなので気になって気になって……。
坪内さん:エムズブラックです。フレンチテイストが好きなので、基本的にスーツはエムズブラックが多いですよ。
FORZA:エムズブラックですか?
坪内さん:パリ在住のデザイナー松下貴宏さんという方が作っているんですが、パターンが秀逸です。ヨーロッパにあるデットストックの素材を使っているので、生地の希少性だったりビンテージ感がいいんですよね。昔30'Sスタイルのパターンもひいていた人で、クラシックとモードの中間な感じが好きなんですよ。
FORZA:スーツにも強いこだわりがあるんですね。おそらくスーツだけでも相当な数をお持ちですよね。 洋服の管理ってどうしているんですか?
坪内さん:もうぐちゃぐちゃですね(笑)。洋服が洋服を着ている感じです。みんなどうやって収納しているのか気になりますね。あとで干場編集長に聞いておいてください。
FORZA:洋服の管理はパンクなんですね(笑)。
谷川さん:こちら生ハムと柿です。
FORZA:柿もヴェネチアの名物なんですか?
谷川さん:柿はイタリア全土で人気なんですよ。しかも、「CACHI(カキ)」といって発音も一緒なんです。イタリア人もこの時期になるとみんな柿を食べています。
FORZA:(口に入れながら)……う~ん、柿の甘さと生ハムのしょっぱさが相性抜群! 昔から立ち飲みがお好きだったんですか?
坪内さん:30代からですかね。だんだん立ち飲みで気軽に飲んで帰るのが好きになってきて……。僕の性に合っているんでしょうね。会議も立ってやりたいタイプなんですよ(笑)。座って無駄な時間を過ごすより、立ってさくっと話して切り上げられたらいいなと思ったりしています。
FORZA:ツボさん、常に立ちっぱなしなんですね!
坪内さん:おっしゃるとおり、立ちっぱなしです(誇らしげ)! 僕もね、干場さんに負けず劣らずせっかちな方なんです(笑)。前を歩く若者が遅いと、「もう邪魔くさいな、もっと速く歩け」って、蹴っ飛ばしたくなるんですよ(満面の笑顔)。
FORZA:笑顔が逆に怖いです! でも、女性と歩く時はどうしているんですか?
坪内さん:もう全然ダメ。つい先を歩いちゃうから「もうちょっとゆっくり歩いてよ」って、いつも怒られるんですよ……。ジェントルマンとすれば、きちんと女性をエスコートしなければ、ですよね! まだまだ修行中です(笑)。
FORZA:干場さんもツボさんも、常に「動く歩道」を歩いているくらい速いですよ。僕が一歩踏み出すうちに、3歩くらいは先を歩いている気がします。信号待ちも常に一番前ですし。
坪内さん:干場さん速いですよね。だから、仕事のリズムが合うんだろうなと思います。一緒に仕事をするとリズムが合うって大事じゃないですか。
FORZA:相性って大事ですよね。ところで、干場さんとはどういった経緯で「WH(ダブルエイチ)」を作ることになったんですか?
坪内さん:アマゾンで、「エンツォボナフェ」というシューズブランドの別注企画があったんですね。その時、「革靴はどうしても重いし疲れる。もう少し軽くできないですか?」という話を干場さんに持ちかけられて、「できますよ」と即答したのが始まりです。それから、デザインなど何回も打ち合わせを重ねて、できあがったのがWH(ダブルエイチ)です。
FORZA:「一度履いたらやめられない」と、ビジネスマンから絶大な人気を誇っていますよね。いろいろな種類の靴を作ってきたツボさんだからこそ作れたんですね。
坪内さん:いやいや! 干場さんからの提案があったのでできあがったんですよ。「東京発の靴を世界へ」という想いで作っています。
FORZA:すべて巡り合わせなんですね。
坪内さん:そうですね。そういえば、あなたはハイボールは好きですか? 近くに「サンボア」といってハイボールが美味しいお店があるので、いまから気絶しに行きましょう!
今回はここまで! 次のお店では「今の若者に物申す」展開が待っていました。次回に乞うご期待です。
Photo:Tatsuya Hamamura
Text:Naoki Fujita
Edit:栗原P
【撮影協力】
バラババオ
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03-3535-7722
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マグナムの創立メンバーであり、世界的有名なシューズデザイナー。自身のブランド、ヒロシ ツボウチとWH(ダブルエイチ)のデザインを手掛ける。ファッション業界では知らぬ人はいないウェルドレッサーとしても有名。自身の美学に基づいた流行を追わない個性スタイリングからも目が離せない。