
STYLE 38
「干場の真骨頂、ネイビージャケット&グレーパンツスタイルも、古くならないように実は進化させています!」
暑かった夏も過ぎ、ぐっと秋らしくなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか? ということで今回は、秋口に相応しい、一番の僕らしいジャケットスタイルをご紹介したいと思います。それがコチラ。ネイビージャケット、サックスブルーのシャツにネイビーの無地のネクタイ、そしてグレーのパンツに茶の靴という、極めてベーシックな色使いで、すべて定番のアイテムで構成しているスタイルです。
これは、何も今に始まったことではなく、5年前も、10年前も、もっと言ってしまえば15年前から、僕は同じようなスタイルをしています。昔から、好きなものは変わらないんですね。
例えば、この写真と最初の写真をじっくり見比べてみてください。確か6年前ぐらいだったと思います。
老けたな〜。
ってそういう話じゃないですからね(笑)。

ネイビージャケット、サックスブルーのシャツにネイビーの無地のネクタイ、そしてグレーのパンツに茶の靴。ほら、一番最初の写真と、まったく同じアイテムを使ったコーディネイトなんです。
でも、今見ると、なんだかバランスが悪く、野暮ったく見えます。
一番、時代性が顕著に出ているのはボトムのレングスでしょうか。グレーのパンツの長さがちょっと長くて、足元でもたついていますね。そしてグレーのパンツのシルエットも古くさい。ノープリーツで裾に向かって細くなっているとはいえ膝下がストレートに見えます。おそらく裾幅は18.5cmだったかと思います。ちなみに、一番最初の写真の裾幅は17cmです。数値にしてみるとこんな感じに差が出て来ます。
2010年
ノープリーツ。裾幅18.5cm。ダブル幅4.5cm。パンツ丈の長さ80cm。
↓
2016年
ツープリーツ。裾幅17cm。ダブル幅5cm。パンツ丈の長さ74cm。
6年でこんなにも自分なりにサイズを変えていたのです。2010年の裾丈の長さが、そもそも長過ぎだったということもありますが……(苦笑)。
「干場さんって、いつも同じスタイルですよね」
「干場さんっていうと、ネイビージャケットにグレーのパンツ、シャツは白か水色。それにネイビーかグレーの無地のネクタイ。足元は、茶の靴というイメージがあります!」
と、よく人から言われることが多いんですが、それ自体はとても嬉しいことなんです。それは、ある意味、自分自身のスタイルやイメージが確立しているということなので。
とはいえ、実は自分なりにですが、時代性を捉えて常にアップデートを繰り返して今のスタイルを築き上げているのです。スタイルが変わらないんだから、そんな数値なんて、どうだって良いと思うかも知れませんが……。その、細かい数値にこだわることこそ、メンズファッションにとって、とても大切なことなのです。自分を一番良く見せてくれるサイズ感を探っていくというか……。
これは、ジャケットの襟の幅、ジャケットの着丈、ネクタイの幅、シャツの襟型、パンツのシルエット、パンツの丈の長さ、裾幅……。すべての数値の集合体がすべてのバランスに繋がり、時代性が出るものなのです。
数値が変われば、当然、足元の靴のシルエットやボリュームなんかも変わって来ます。そうなると、同じ茶色の靴でも、別の用意が必要になるわけです。ということで、僕の靴のコレクションを、恥ずかしいのですがチラッとお見せします。

なんだか、同じように見える茶の靴だけでも、いろんなカタチのものがあります。ブーツでも短靴でも、基本的に、つま先が丸いラウンドトウか、卵のようなエッグトゥのものが多いですかね。とんがったポインテッドトゥや四角いスクエアトゥの靴はありません。色は、革靴は黒か茶がほとんど。スニーカーは黒か茶か白です。
そんな中でも、今は、僕が作っている「WH」の靴のように、トゥにボリュームがあって、ソールに厚みがあるものがバランスが良いと思っています。裾幅も17cmと細いですからね。靴が小さいよりは、大きい方がバランスが取れるのです。
自分のスタイルは変えずとも、常に時代性は捉えてモダンにアップデート! というか、もっと言うなら、自分を美しく見せてくれるサイズを探っていく、言わば進化ということなのかもしれません。
現状に満足しないで常に進化! そして深化!
これこそ、干場スタイルの根幹なのであります。
今回は、細かい数値の話でしたので退屈だったかも知れませんが、皆さんも、常に進化させいくことを心がけておくといいかもしれませんね。
では、今回はこの辺で!
アイテム
ジャケット/WAKO Classics Designed by YOSHIMASA HOSHIBA
シャツ/インダスタイル
ベルト/ジャン・ルソー
ネクタイ/ブルネロ クチネリ
チーフ/ムンガイ
ソックス/カルツェドニア
靴/WH
腕時計/グランドセイコー
ウォレットチェーン/エムフラテッリ
(すべて干場私物)
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センスでもなくて、知識です!
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世界のエリートなら誰でも知っている
「お洒落の本質」
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Photo:Kazuya Furaku
Text&Styling&Model:Yoshimasa Hoshiba
干場編集長のように装うならこんなアイテムがオススメ

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「エロサバ」とは、“エロいコンサバ”の略で、干場の哲学により生まれた造語。シンプルでベーシック、コンサバティブな洋服を着ているのにも関わらず、着 こなし方次第でSEXYにエロく見えるスタイルのこと。例えば、一番象徴的なのは喪服の女性。成熟した大人の女性が喪服を着て、メイクも抑制しているの に、なぜか色っぽく見えるスタイル。例えば、上質な素材の普通の白いシャツを着ているのにも関わらず、胸元のボタンを2~3個開けてセクシーに着こなした り、袖口を捲って腕元を見せてヌケ感を出すスタイル。単なる粗悪な、しかもデザインが変わっている白いシャツでは駄目。上質な素材のベーシックな白いシャ ツだからこそ、エロく着こなしても、上品さを保つことが出来るのです。男性で例えるなら、自分の体型に合って仕立てられたミディアムグレーの無地のスーツ を着て、上質な白シャツに無地のグレーのネクタイのような極めてコンサバティブなスタイルをしているのにも関わらず、内側から大人の色気が香るようなスタ イル。要するに、さり気なく上品に見えるコンサバなアイテムを着つつも、エロく見えるスタイル。これが「エロサバ」スタイルの根幹でありキモ。

『FORZA STYLE』編集長
干場義雅
尊敬する人は、ロロ・ピアーナの元会長セルジオ・ロロ・ピアーナさん、ピエール・ルイジ・ロロ・ピアーナさん、トッズの会長ディエゴ・デッラ・ヴァッレさ ん、格闘家のブルース・リーさん。好きな人は、タモリさん、田村正和さん、高田純次さん、初代タイガーマスクの佐山サトルさん。好きなアニメの主人公は、 ルパン三世、冴羽りょう、シャア・アズナブル。好きな映画は、『トーマス・クラウン・アフェア』、『アメリカンジゴロ』、『LIFE』、『少林寺木人 拳』。好きなドラマは、『ニューヨーク恋物語』、『パパはニュースキャスター』。スポーティでエレガントなイタリアンスタイルを愛し、趣味はクルーズ(船 旅)と日焼けとカラオケ。お酒をある一定以上飲み過ぎると、なぜだか一人感無量状態になって男泣きする現在43歳の小誌編集長。東京生まれ。
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