「気がつくと、大量のサプリを常用するようになっていました。しかも、健康食品は『継続することが大事』といううたい文句でユーザーに定期購入させるので、種類が増えることはあってもなかなか減らせないんです」
健康を買い漁るかのように次々とサプリメントや健康食品に手を付けるのは、中高年期の方特有の心理もあるのかもしれない、と結子さん。
「年を取ってくると、次々と不調に見舞われますよね。そうなる度に『今回の不調にはまた別の成分が有効そうだ』と新たなサプリメントで健康を埋め合わせたくなってしまうようなんです」
健康に留意していたはずの母だが、ある時貧血の症状を起こしたことがある。すると、そこからまた新たな健康食品を3つ導入することになってしまった。
「病院で処方された鉄剤の副作用なのか、服用後に便秘に悩まされたんです。それで、母はそれをきっかけに酵素ドリンクを定期購入し始めました。その酵素ドリンクに至っては、60種類くらいの体にいい成分が入っているとかで、私から見ればもう意味不明です。そしてその後は貧血の再発を恐れて、鉄とビタミンCサプリの追加......やれやれですね」
【後編】では結子さんの母がハマった罠に迫る。
TEXT:中小林亜紀
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