「夫は家の周辺十数軒の班ミーティングの際、皆さんにこのことを話しました。うちの班は住宅地の住民ばかりなので、大半の方は『そんなの間違ってる』『人の金を何だと思ってるんだ』と不満の声を上げたんですね。ですが、その声はその場だけの愚痴で終わります。長老たちに楯突く勇気がある人はいないというわけですよ」
夫はほぼ孤軍奮闘する格好で飲み会や食事会に抗議を続けた。しかし……
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©Getty Images
「夫を嘲笑うかのように、何の躊躇もなく会合は続いたそうです。コロナ規制が緩んだのをいいことに、ホステスがいるお店や近場の日帰り温泉、ゴルフなどやりたい放題。時には『行事後に懇親会開催、参加自由。ただし、人数によっては実費で参加費をいただきます』などと回覧板で回ってくるのですが、誰も爺さんたちの宴会になど出たくないので、結局いつもの長老会になるのです」
長年続いてきたおいしい飲み会。正面きって批判する人もいないのに、自らやめるわけがないよ。夫はため息混じりにそう愚痴をこぼした。
年に一度の町内会総会を目前に控えた今、昨年の総会で夫が「長老」たちから責め立てられ落ち込んで帰ってきた時の苦い記憶がゆりえさんの頭から離れない。
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