2026年に導入を目指している新しいマイナンバーカード。政府はこのカードに性別を記載しない方向で検討を進めているという。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。
「多様性に配慮した対応でしょう。性同一性障害など、当事者の人たちからカミングアウトの強制につながるという声もあったようです。マイナンバーカードは普及が上手いように進んでいない印象です。その普及を後押しするよう始まったマイナンバーカード一体型の保険証にも相次ぐトラブルがありました。少しでも円滑に進めるためにも国民の声を聞くという思惑があるのかもしれません」。
私たちは暮らしの中で無意識のうちに性別に対するバイアスをかけてしまうことがある。今回は子育てのなかで、そのバイアスに悩んでいるという女性に話を聞くことができた。
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細川京子さん(仮名・36歳)は、2人の子どもを育てる母だ。
「毎日てんやわんやですが、楽しく暮らしています。夫とは長らく友人関係だったこともあり、家事や育児についても話し合いをきちんとして進めています。分担してやっているので、そういう意味で不満はあまりありません。こどもは小学1年生の長男と年長の長女です。私も夫も3人兄弟なので、できればもう1人欲しいと思っているんですが、仕事もありますし、生活や進学のことを考えると簡単には産めないねと話しているところです」。
そんな京子さんが最近悩んでいるというのが、男と女についてだ。とは言っても色恋沙汰ではない。ジェンダーの問題だ。
「あるバラエティ番組でママタレが男の子ってバカだよねと話していたんです。これまでの私だったら、迷わずそうそう!と共感していたと思うんですが、最近ジェンダーについて少し勉強を始めたこともあってすごく気になってしまって。そのタレントさんは男児女児どちらも育てているみたい」。
京子さんは勉強を始めたがゆえの壁にぶつかることが多いと話す。
「先輩お母さんたちも口を揃えてそうやっていうんですよ。男の子はずっと変わらずバカだとか、調子に乗りやすいとか。逆に女の子は知恵がつくのが早いから、気がつけばリトルママになって口うるさいとか。それ自体がすべて間違っているとは思いません。でもなんとなく、コチラが決めつけている側面もあるんじゃないかな?と思うことがあるんです。子どもってすごく正直。だから、その言葉を信じてというか無意識に体現してしまうこともあるのかなって」。
確かに、男らしくや女らしくという言葉を問題視するようになって久しい。