「夫の転勤先で出会ったママ友が、実はありえない非常識人間だったんです。ランチバイキングでタッパーを持参してきたときは、開いた口が塞がりませんでした……」
複雑な表情をしながら話すのは、2歳の娘を持つ渡辺瑞樹さん(33歳・仮名)。子育ての中で、非常識なママ友と関わりを持ってしまったという。
危機コンサルタントの平塚俊樹氏はこう語る。
「某マーケティング会社が、 子どもがいる母親102名を対象に『ママ友とトラブルになった経験はあるか』というアンケート調査をおこなった結果、60.8%の人が『ある』と回答。トラブルになった原因の1位は子ども同士のトラブル、2位が価値観や意見の違い、3位が噂・誹謗中傷という結果に。
ママ友は子どもを通じて仲良くなるので、学生時代の友人と同じように付き合っていくのは難しい傾向にあります。実際、育った環境や価値観が全く違う相手とどう接すればよいか悩んでいる人は多いですよ」
今回は瑞樹さんが経験したママ友トラブルについて、詳しく話を聞くことができた。
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瑞樹さんがママ友(A子さん)と出会ったのは、市が運営している支援センターがきっかけだったそう。A子さんの子は瑞樹さんの娘と同い年で、さらに大学時代に住んでいた県が一緒だったため、距離が近くなり仲が深まったようだ。
A子さんは笑顔が絶えず、ポジティブな性格。子どもに対しても明るく接するため、A子さん一家は毎日楽しく過ごしているのだろうとわかる雰囲気。娘たちも波長が合って喧嘩することなく遊んでくれるので、母同士の会話も弾んでいたようだ。
そんなA子さんが「非常識人間」と知ったのは、もう少し時間が経ってからのことだった。
瑞樹さんたちは仲を深めるにつれ、LINEを交換してプライベートでも遊ぶようになったそう。A子さんはハキハキしていて、思ったことをすぐ口に出すタイプだ。控えめな性格の瑞樹さんは彼女を「意思をはっきり伝えられる性格が羨ましい」と感じていたらしい。
支援センターではプライベートな会話ができないため、A子さんたちを瑞樹さんの自宅に招き遊ぶ回数が増えていった。しかし、話が弾むなかで瑞樹さんが東京の実家へ帰省した話をすると、A子さんから突拍子もない発言をされたのだ。