「子どもにとっては、仕事をしていようといまいとお構いなし。ママがいるという事実だけなんですよね。だから話しかけてきたり、アレをしたいコレをしたいと要望があったり、こういうとき思わずイライラしてしまうのは私だけなのかな?結局、仕事とどっちつかずで自己嫌悪。仕事は子供たちが寝静まった夜にする日々でしたね。そんな状態なので、オフィスで仕事をしている同僚ともうまくいかず、焦れば焦るほどにミスを連発。歯痒い思いをしているときに、『お母さんなんだから、いまは家庭に専念しろ』と遠回しに上司に言われてしまい、完全に子持ち様扱いされていることがわかりました」
それでもなんとか仕事をこなしつつ、長男の相手をする毎日をさらなる悲劇が襲う。
「長女が熱を出してお迎え要請がきました。彼女のクラスでもインフルエンザが流行していて、不安はあったんですが…。翌日高熱になり、病院を受診。結局インフルエンザAでした」。
長女はまだ年中。部屋での隔離にも限界がある。その結果、結局長男にもインフルエンザが移ってしまったというのだ。
「この時点で4日出社していませんでした。子供の体調は、幸い薬で回復、私自身の体調はよかったものの、インフルエンザにかかった幼児を置いてはいけませんし、高齢の親に預けるわけにもいきません。もちろん病児保育にも申し込みましたが、満員で引っかかりもしませんでした。結局、私1人が休む羽目になると思っていたんですが…」。
なんと次に夫が体調を崩したというのだ。
「とはいえ37℃でしたし、インフルエンザでもなさそう。疲れもあったのかな?重症という感じではなかったので、もしかしたら夕方、1時間くらい子供の面倒見てくれるかなと思ったんですが…」。
かなえさんの読みは甘かった。【後編】では夫の愚行についてさらに詳しく話を聞いていく。
取材・文/悠木 律