ー息子がおたくの長男さんに脅されてお金を渡したと話しているんです。どういうことか説明いただけませんか?
「びっくりしました。お相手のいう通りなら、息子がカツアゲしたってことです。甚だ信じられませんでしたが、ここのところ不在にすることも多かったですし、何より息子自身に確認しないことには、やっていないと反論することもできません。すぐにお相手に連絡をしましたが電話に出ていただけなかったので、ショートメールを返信しました。
ーご迷惑をおかけしています。帰宅後、本人に確認をして折り返しご連絡させていただきますので、少々お時間いただければと思います。
「その日はよりによって、夫も私も出社していて、家にはいなかったのですぐに確認ができなかったんです。正直、気になって気になって仕事どころじゃありませんでした。会社からLINEをしましたが、息子からは返信なし。LINEは全然見てもらえないんです。仕事が終わるとすぐに電話をしました。ただ、電話ではうまく伝えられそうになかったので、帰ったら話があるとだけ言いました」。
同時に夫にも事情をLINEで伝えておいたという。
「夫からは落ち着いて話を聞いてね、とLINEがきました。確かに、私自身かなりヒートアップしていたので、駅から帰る間に何度も深呼吸をして、心を落ち着かせるよう努力しました。家に着くと息子がリビングでスマホをいじりながら待っていました」。
息子を食卓に座らせ、莉子さんはできる限り、落ち着いた声で息子に尋ねたという。
ーAくんのお母さんから、あなたがAくんにAppleカードを買わせたと連絡がきました。本当にそんなことしたの?本当のことを話してくれないとあなたを守ることも、一緒に謝罪にいくこともできないから、絶対に嘘はつかないで。
息子はすぐに口を開いたという。【後編】では中学生の恐ろしい自作自演とそれを擁護するモンスター母親のとんでもない対応について詳しく話を聞いていく。
取材・文/悠木 律