「専業主婦なんて彼女は絶対認めないんじゃないかと思って、私は家事が大好きだし、夫にキッチンや洗濯機を触られたくないなんて、その時はとても言えませんでしたね」
自分が否定されている気がしたさやかさんだが、ママ友がそう考えるのは自由だと割り切ろうとした。しかし、世間で話題になったトランスジェンダーの方のトイレや着替えの場所について話題が及ぶと、2人の間に緊張が走る。
「ママ友は、トランスジェンダーの方が、自認する性に従って施設や設備を利用するのは当たり前だと言い出しました。裸を見せ合うことになる温浴施設については、見た目にも治療が完成しているべきだと思う、とは言ってましたが、共用トイレなんて外国では当たり前だと」
さやかさんは、心の問題は別として、外見が男性である人とトイレを共用することに強い抵抗があり、娘のことを考えても心配が先に立つ。同性しかいない空間でさえ音や気配が気になるのに、とも思う。その気持ちを話すと、ママ友はこう言った。
「ママ友は、そのことも教育やトイレ自体のデザインなどで解決できると言いました。うちの会社では、今後ジェンダーフリートイレを導入できるよう計画しているし、今後はそれが常識になっていくはずだと。
自分の主張ばかり押し付けてくるので、『あなたの会社はそうすればいいけど、私は絶対にいや。押しつけてほしくない』と思わず言ってしまいました」
私の意見は間違っているの?多様性は無視?と突っ込んでしまったさやかさん。すると、ママ友は「多様性は平等あってこそだよ」と反論した。
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