「夫は現場を回る技術者で、その日のスケジュールも朝9時からびっしり入っていました。段取りが細かく決まっている設備工事の現場なので、よほどのことじゃなければ休めない。あとの2人の子供は登校しましたが、4年の娘はお昼の準備もなしに1人で家にいることになってしまいました」
潤奈さんは娘のお昼を調達してもらえるよう急遽出勤直前の夫に依頼。大急ぎでコンビニ弁当を買ってきてもらったそうだ。
「その日は上の子たちが帰宅するまで心配で心配で。しかも深夜になって小4の娘が熱を出したんですよ。もうパニックです。ああもうこれはアレかソレだなと」
ところが、常備している検査キットでコロナは陰性。翌朝かかりつけ医に連絡を取ると熱が37度4分なのでインフルエンザの検査はしないと言われた。
「インフルエンザの大きな特徴である高熱には至らない。コロナでもない。結局医師は風邪と診断しましたが、後日咳が出始めて再度受診した時には、いわゆる門前薬局で薬がないと言われてしまいました」
困った潤奈さんは家にあったのど飴を舐めさせるなどの「気休め」以外に対処法が見つからなかったという。目についたドラッグストアを片っ端から探して、ようやく買ったことのないメーカーの薬を手に入れた頃には娘の咳が治まっていた。
【後編】では、潤奈さんを襲ったさらなる悲劇、そして感染症が蔓延している学校と保護者の悲惨すぎるリアルをお届けする。
取材・文/中小林亜紀
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