恭子さんは肩を落とす。
「夫を責めたい気持ちがあるものの、私が原因であった可能性も否定はできないので、すごくモヤモヤします。もちろんマッチングアプリはすでに解約済みでしたが、なんだか複雑な気持ちです。こんなことで夫に疑念を抱くことになるとは思ってもみませんでした。その一方で1年間に2人とか3人とか、正直言って、たいした数じゃないじゃないですか。ある意味で健全と言うか…。それでも感染してしまうことがあるって、相当怖くないですか…」。
平塚氏はこう話す。
「妊娠中の梅毒感染はかなりリスクが高いので、妊娠の前にまず調べるというのもひとつの方法です。無料で検査をしてくれる自治体もあるようですから、活用するのもいいでしょう。梅毒が広がりを見せていることは明らかです。セックスワーカーが恐るべき病気という認識を捨て、すべての人に感染の可能性があると今一度、認識を改める必要がありそうです」。
梅毒は昔の感染症ではない。現代の感染症であり、すぐ隣にある病気なのだ。
取材・文/悠木 律
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