遠くを見つめながら裕一郎さんは話す。
「子どもたちだって、保護者の方々だって、勝ちを望んでいないわけではないと思います。今までも、試合で負けが続くと、指導者や顧問を変えろというような要請が起きる場合はありました。ただ、今回は違った。
勝てないからではなく、私のやり方が部員を傷つけているとか、パワハラにあたるとかいう言い方だったので、学校側も教育員会も放っておけない事件だとみなしたのでしょうね。」
今までの自分の行動と、向き合い続けてきた結果、彼の中ではもう答えが出ているのだという。
「私はもう、時代に合わない。子どもたちが弱いからとか、保護者が過保護すぎるからとか、自分に以外のところに問題があるのではないかとも、思いました。
今時の子どもたちは・・・みたいな考えも起こりましたけど、別に悪い奴らじゃないんですよ。私の指導に反旗を翻している奴らも。しんどいことや辛いことが嫌いなだけです。」
裕一郎さんの言葉は続く。
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