【後編】保護者には怒鳴られ、生徒はボイコット……。変わる部活動についていけない教師の現実

裕一郎さんは、保護者達からの糾弾よりも、部員たちのそういった態度の方が辛かったそうだ。

「勝たせなければいけないと思っていました。私自身も、勝つために部活動をしてきた。そして、勝つととてもうれしかった。

うれしいから、また頑張ることができる。辛くても苦しくても、それが『勝ちにつながる』と思えば、我慢できました。

でも、それが間違っているんですよね。私は、子どもたちにもあの勝つ喜びを味わわせてやりたかった。だから怒鳴ったし、だから規律のある行動を求めた。

そして私は、子どもたちに対して『一緒に勝とうぜ』という気持ちだったし、彼らもそれは分かってくれていると思っていました。でも、幻想だったというか、私の独りよがりだったのですね」