【後編】「私、普通の人より傷つきやすいので」自称HSPの部下に、先輩パートの堪忍袋の緒が切れた瞬間。

「私がマウントを取ってくると、Ｋさんが課長に相談したそうなんです。彼女の目には私のフォローが『私はこんなに仕事ができるのにあなたはできなくてダメね』という態度に見えていたらしく。

『私はマウント取られるのが苦手で、二条さんが私がやるからと言って出しゃばれば出しゃばるほど辛くなる』のだと。私、呆気に取られてしまって」

麻里子さんはこの日を境に、Ｋさんのことが一気に嫌いになってしまった。だが、嫌いな気持ちを少しでも見せたらパワハラと取られかねない。

自分には肩書があり、同じパートであってもＫさんの上司にあたるのだ。理性を保ち、感情的になってはいけない。そのプレッシャーと不快感に、麻里子さんは強いストレスを覚えた。

「もやもやしているのも苦しいので、直接Ｋさんと話をしました。すると、『私は常に人からどう思われているのか考えすぎてしまう。それで挙動不審になって、本来ならしないようなミスもしてしまう。そのことを普通の人は理解してくれない」と言われました。

人からどう見られてるのか考えすぎちゃう人っていくらでもいますよね？ 私もそうですよ。でも、そうやってミスしながらコツコツと仕事を覚えてきたんです。『本来ならしないようなミス』なんて、自己肯定感が低い人の言うことですか？　本来の自分はすごいと思っている証拠じゃないでしょうか」