奈美子さんの言葉に、ララちゃんの手は止まった。しばしの沈黙のあと、『……わかるんですか?』と彼女は、初めて血が通った人間らしい動揺を表したという。
「驚くララちゃんの問いには答えず、『まあいいわ。続けて』と体を洗ってもらいました。その反応で、彼女は間違いなく男性用風俗でも働いていると察しました」
「そうこうしているうちに、気づけば残り時間はあと20分ほど。ララちゃんは『時間が迫っていますので、ゆっくり湯船に浸かって、延長しませんか?』と告げてきたんです。延長料金は30分で1万円。私も風俗嬢でしたから、売り上げアップのもくろみだとすぐに分かりました。でも、その手には乗りません。
『悪いけど時間がないから、ベッドに行くわ』と言い、さっさと浴室を出て濡れた体を拭くと、自らベッドに横たわりました」
RANKING
2
3
4
5
2
3
4