「あの声で とかげをくらうか ほととぎす」
この世の森羅万象のウラ側を、FORZA STYLEの取材班が徹底取材。あなたの暮らしを守る、独自レポート。
JR九州が販売元の1社として名を連ねるマンション「ベルヴィ香椎」。
その六番館で起こった度重なる不具合の原因を追求し続けてきた元理事長の佐々木太さんとその不正を暴いた日本建築検査研究所の岩山健一氏の戦いをレポートした前編は大きな反響を呼んだ。
長年、欠陥を訴え続けてきた佐々木さんの苦闘で、やっと3社が責任を認めたのだ。超巨大企業と闘うのは命を削るほど辛かったが、本当に大変なのは「住民の合意形成」だったという。
後編では建て替えに至る最後の関門・住民の合意形成への苦闘を描いていく。
……………………………………………………………………………………………………………………
3社が責任を認めたことは、長年理事長として戦い続けてきた佐々木さんにとっては、僥倖ともいえる大転換だった。しかし、実際の建て替えのためには、さらに気が遠くなるような行程が残されていた。
「喜びも束の間、これからどうするのかということを決めなくてはならなかったんです。販売会社から提案されたのは建て替え、補修、購入価格での買取、この3つでした」。
ここまで来たらやり切るしかない、そう思った佐々木さんは再度、理事会からの依頼されていた理事長を引き受けることにする。しかし、これには大きな反感もあったという。
「輪番制でなくやることは、異例でした。それに対する反発ですね。でもそんなことを言っている暇はなかったんです。建て替えをするのなら、説明会を開き、11月に行われる総会で全棟合わせて3/4以上の賛成票を集めなくてはならなかったのですから」
RANKING
2
3
4
5
2
3
4