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G7で来日したゼレンスキー氏の「あの服装はなんだ」という声にもの申す

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講演、メディア出演、執筆などを通じて、炎上の「火消し」からフェイクニュース対策まで幅広く発信している小木曽健氏によるネットニュース分析、推察コラム。

ゼレンスキー氏の「あの服装」

岸田さん、G7で男を上げたと思ったら、公明党との亀裂騒動に、息子は「パーリー写真」で辞任騒ぎ。宰相として運が良いのか悪いのかよく分かりません。特に「パーリー」の写真は、その流出元が誰なのか非常に気になりますが、いずれにせよ、ご子息である岸田翔太郎さんが総理公邸におけるTPOを壮大にはき違えてしまったことは間違いないでしょう。

そしてTPOと言えば……G7におけるゼレンスキー氏の「あの服装」ですよ。実は今回来日した際、SNSのある有名アカウントが「他国の首脳と会うのに、あの服装はなんだ」と投稿、見事に炎上していました。ああ、日本のネットは平和だな。

ゼレンスキー氏の「あの服装」に関連する炎上って、実は今回が初めてではありません。昨年の3月、彼がアメリカ議会でリモート演説した際にも、米国の経済評論家が「ウクライナ大統領はスーツを持っていないのか」と彼の服装を批判、爆裂的なバッシングを受けていました。

言うまでもなく、現在のウクライナは領土を理不尽に侵攻され、自国民が戦闘中という状況にあります。それを考えれば、あの服装にさほど違和感はないんですが、何と言っても彼、あのプーチンに命(タマ)狙われてる最中なんですよ。動きやすい服を着るくらい許してあげてよって思いますけどね。だって、あのプーチンに命狙われてるですよ。

まじめな話、もちろんゼレンスキー氏だってスーツを着る余裕くらいはあるでしょう。でも絶対に着ないはず。だって今回の訪日で彼が各国首脳に訴えていたのは「戦車をくれ、戦闘機も足りない」ですからね。

そんなセリフは、スーツでビシっと決めて訴えかけるより、軍服っぽいあの服装で懇願した方が、絵的にもずっと響く。最終的にG7に出席した国々の世論からも支持を得やすくなるのです。

ウクライナのSNS戦略

テレビ出身のゼレンスキー氏とその周辺スタッフは、メディア戦略、特にビジュアル方面の戦略に長けていると言われています。SNSに投稿される動画についても、服装や撮影場所、アングルに至るまで「世界から共感を得られるか否か」という視点で決定されているはずです。

これまでも、ロシア軍機を撃墜する様子をネットに公開したり、ロシア兵に向けて「投降したら報酬を払うよ」という拡散性の強い動画キャンペーンを展開したりと、ウクライナはSNSでも大々的に戦ってきました。少なくとも私たちが視認できるメディア戦略においては「ウクライナはロシアに完勝している」と言えるでしょう。

ちなみに今回、「G7なのに、あの服装はなんだ」炎上がキッカケとなり、ネット上では「あれは略式の軍服だから失礼じゃないぞ」「いや、あれ軍服じゃないから」みたいな議論にまで発展、最終的には、

『ゼレンスキー氏が来日時に着ていたカーキ色の服は「M-TAC」というブランドのフリースで、価格は数千円ほど。そこにウクライナ軍のワッペンを張り付けていたんだぜ』

という、いったいどこで使えるのか分からない謎知識までもが共有されました。日本のネットは平和です。

ウクライナにもそんな平和が早く訪れ、「ねえゼレンスキー、あのワッペンって貼ってたの? 縫い付けてたの?」みたいな、どうでもいい話が聞けるようになると良いな……。

 

Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員)
※本記事のタイトルはFORZA STYLE編集部によるものです。



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