大切な家族や親戚が入院したとなれば、誰でもお見舞いに行こうと考えるだろう。しかし、行けば良いというものではないというのが現実だ。
入院施設のある病院には、他にもたくさんの患者が入院している。他の患者も療養しているため、配慮が必要なのは言うまでもないだろう。
しかし、そういったマナーを守らない、「非常識な見舞客」も少なからずいる。
FORZA STYLEライフ編集班は、実際に病院で働いている看護師の鈴木尚子さん(30・仮名)に話を聞いた。彼女は、迷惑な見舞客についてこう語る。
「個室ならまだ良いのですが、大部屋や集中治療室のような場所に入院している方のお見舞いは気を遣って欲しいですね。なかにはお見舞いに来た家族のせいで仕事が増えることもあるので……」
患者本人にとっては、家族がお見舞いに来てくれるのは嬉しいだろう。しかし、あまり大人数でのお見舞いは、病院側や他の患者にとっては迷惑な場合が多い。1つ目は、「大人数でのお見舞い」に関するエピソードだ。
「今はコロナ禍なので、お見舞いの人数を制限していることが多いのですが、以前は何人でも入れたんです。かといって多いほど大歓迎!ってわけではもちろんありません。ひどいと大家族全員で10人とかでいらっしゃる方もいます。ご家族が心配な気持ちもわかるんですが、できればやめて欲しいです」と鈴木さんは言う。
初めは個室に入院していた患者の小杉さん(77歳男性・仮名)。大家族で孫も10人以上いる方だ。入院手続きや準備は奥さん1人で行い、奥さんは毎日小杉さんの顔を見に来院していた。穏やかなご夫婦で、いつも30分ほど過ごして帰っていくのが日課だったという。
しかし、入院してきて1週間ほど経ったとき、容態が急変。明け方だったが集中治療室に移動し、奥さんにも連絡。「すぐに向かいます」と返事があった。幸い、すぐに容態は安定した。しかし、万が一のときのことを考えて小杉さんにはしばらく集中治療室で過ごしていただくことに。集中治療室はナースステーションの隣にあり、すぐに様子が確認できるようになっている。
容態が安定したことはすぐに奥さんにも連絡していたが、朝の8時ごろに奥さんは家族全員総勢なんと15人近くを連れて来院した。小杉さんと同居している子供夫婦とその孫、近くに住んでいる子供夫婦とその孫全員でお見舞いに来たのだ。
集中治療室にはそのとき3人の患者が入院しており、カーテンで仕切られているだけだったため、隣の患者にはもちろんナースステーションにも話し声は丸聞こえだった。
10人以上がみんなで話しておりあまりにもうるさいので、「他の患者さんもいますので、少し声のトーンを落としていただけませんか」と何度も注意したが、小さな子供が何人もいてはそううまくはいかない。
「お子さんたちは、落ち着かなく室内を歩き回り、点滴や医療機に触れて回ったりするから、怖くて仕方ありません。スマホやゲームをいじったり、まるで親戚の集まりのようで...」
他の患者やその家族からも苦情があり、結局隣の患者が「うるさい!」と怒鳴りつけたところで、仕方なく帰って行ったそうだ。心配でお見舞いに来てくれたのだろうが、大人数でのお見舞いは控えた方が良いだろう。
次に「迷惑な見舞客」として教えてくれたのは意外にも、「お花を持ってくる見舞客」に関するエピソード。「お花を毎回持ってくれるご家族もいらっしゃるんですが、実は迷惑になることが多いんです」と鈴木さんは言う。
☆お花がどう迷惑になるのか。衝撃のでは、鈴木さんの病院で実際にあった「花にまつわる非常識なエピソード」などを紹介する。迷惑な見舞客たちの常識はずれな奇行を、反面教師として欲しい☆