重要なのは色、素材、長さ、そして巻き方です
新連載「干場編集長のスタイルクリニック」略して【スタクリ】。第29回目は「ストール」。これからの時期にマストなアイテムは、どうやって選べば良いのか? また、どう巻くのがオシャレなのかを教えてもらいました。
どんなにあたたかいコートやダウンを着ていても、首元がスッカスカだと寒く感じます。また、アウターの存在感だけに頼るとコーデが大味になりがちですが、首元にアクセントがあれば断然華やかになります。ということで、今回はストールのご紹介です。
「冬のファッションにおいて、ストールを使わない手はありません。あたたかさにおいてはもちろんですが、ドレーピーなストールを合わせるだけで、コーデが途端にエレガントになります」
あたたかくてオシャレ。ならば、確かに使わない手はないでしょう。では、その選びのポイントは?
「色はやはりベーシック系で。ブラックやネイビーやグレー、またはブラウンやカーキもオススメです。今回はブラックオンリーではありませんが、これらの色はメンズファッションで定番とあってコーデに合わせやすいですよ。出来れば、何色が揃えておくと良いですが」
ストールは顔まわりのアイテムとあって、印象に残りやすいそう。ゆえに、あまりに派手な色だとキャラが強過ぎてしまうのだとか。
「素材はカシミアがお約束です。繊維が細いので、肌が敏感な首でもチクチクしません。で、さらに重要なのが長さ。ストールの長さは色々あるんですが、大体2mぐらいあるといいですね。それぐらいの長さだと巻き方のバリエーションが沢山楽しめますし、巻いた時のボリュームがキレイなんです。短いと窮屈に見えることが多いので」
選びのポイントがわかったら、やはり気になるのが巻き方。しかし、そこには意外な意見が。
「ピッティ巻きとかアフガン巻きとか色々ありますが・・・正直に言えば巻き方なんてなんだっていいんです! 2つに折って輪っかに通すという一番簡単な巻き方でも全然オッケー! だって、女性とレストランを出る時、長々と時間をかけてストールを巻いてたらカッコ悪いでしょ? ちょっとぐらい雑に巻く方がカッコいいですよ」
最後に、ストールを使ったモテテクを一つ。
「女性が好きそうな香水を、フワッとかけておくんです。そしてデートの際、女性が寒そうにしていたらそのストールをかけてあげる。顔まわりのアイテムですから、香水の効果はテキメンです」
干場編集長の場合、女性からこのテクニックを披露され、悶絶しかけたとか。皆様も、ぜひお試しあれ。
Johnstons of Elgin / ジョンストンズ オブ エルガン
名門の極上カシミアストールを、ミリタリーに巻く
コート16万2800円/シーラップ(フローエンス トーキョー)、セーター4万2900円/トレンタセッタンタ(第一ニットマーケティング)、Tシャツ9350円/クロスクローゼット、デニム3万3000円/イカイ(スピラーレ)、靴2万7500円/オートリー(トヨダトレーディング プレスルーム)、サングラス2万3980円/レイバン(ルックスオティカジャパン カスタマーサービス)、時計「ビッグ・パイロット・ウォッチ 43」129万2500円/I W C
創業はなんと1797年。スコットランド発の名門が作るカシミアストールは、肌に触れた瞬間に思わず笑みが浮かぶほどの心地良さを誇ります。そこから生まれるやわらかなドレープは、カジュアルコートの定番ピーコートさえもエレガントに。
「ピーコートに色落ちデニム、そしてスニーカーとアメカジベースのカジュアルコーデ。コートの着丈も短めでアクティブな雰囲気ですが、そこにカシミアストールを合わせるだけで、大人な印象に一変します」
オトコらしさと艶っぽさの両立を狙って
インナーに合わせたのは、ピーコートと同じミリタリーが出自のコンバットセーター。
「オリーブカラーも相まって、本来なら武骨な印象が強いニットです。しかし、ドレーピーなカシミアストールが、エレガントにまとめてくれます」
干場編集長のアドバイス①「サングラス」
甘過ぎは注意! サングラスでオトコっぷりを調整
カシミアのラグジュアリー感、ドレープのエレガントさが魅力ながら、甘くなり過ぎるのは考えもの。そこで使えるのがサングラスです。
「スタイルクリニックで定番のティアドロップは、オトコらしさや大人の渋みを演出するのに打ってつけ。ストールの甘さを、程よく中和してくれます」
干場編集長のアドバイス②「時計」
オトコらしさとエレガンスの両立を腕時計でも
ピーコート、ニットがミリタリーとなれば、腕時計もミリタリーテイストな1本を。今回合わせたのは、IWCのビッグ・パイロット・ウォッチ 43。
「オトコらしくもエレガント。そんなミリタリー×ストールコーデに、パイロットウォッチながらブルーダイヤルが美しい同モデルは、まさにぴったりです」
干場編集長のアドバイス③「スニーカー」
味濃くならないように、足元はヌケ感を意識
足元はブーツではなく、あえてラフにスニーカーを。とは言え、ボリュームのあるシルエットは足元でしっかりと存在感を発揮します。
「ラフなスニーカーと高級なカシミアストールのギャップが狙い。キメキメにならず、どこかでヌケ感を作るのがスタイルクリニックの極意です」
Loro Piana / ロロ・ピアーナ
高級コートを超えるほどの上質な存在感
例えブラックのワントーンでも、その上質さが見るからにわかるオペラ。カシミア自体がトップランクなのに加えて、まるで波打つような表面と美しい光沢を表現するフリッソン仕上げが、その要因に。コーデの主役を張れるストールとは、まさにこのこと。
BRUNELLO CUCINELLI / ブルネロ クチネリ
女性とのデートには、こんな大判ブランケットを
幅が150cmとあって、2人でもすっぽりと包んでくれるこちら。ベージュとグレージュのダブルカシミア仕立てで、薄手の布地を2枚重ねて縫い合わせることで、暖かさと軽さを両立。巻き方によってワントーンでもバイカラーでも楽しめます。膨らみ感のある仕上げは、見た目にもあたたかみがあるほど。思わず頬ずりするはずです。
BEGG X CO / ベグ アンド コー
品良い色合いは、素材が最高級なればこそ
1866年に創業したスコットランドの名門。カシミアをはじめとした高級獣毛を長年扱ってきただけあり、その肌触りは極上。こちらは上質なホワイトカシミアを美しいビキューナカラーに染め上げた代表モデルのアラン。ビーバー仕上げにより、もはや雲上な肌触りに。
30/70 trenta Settanta / トレンタセッタンタ
オンでもオフでも、活躍する万能ニットストール
我ら干場編集長がディレクターを務める日本発のニットブランド。30/70というブランド名の由来であるシルク30%とカシミア70%をブレンドした生地は、干場編集長曰く「最上の肌触りをもたらす黄金率」とか。薄手のニット編みなので、様々な巻き方が楽しめます。
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Ryoko Kanemoto
Hair&Make-up:Megumi Ochi
Model : Noah Ishikura
Text:Masafumi Yasuoka
Direction:Yoshimasa Hoshiba
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ロロ・ピアーナ ジャパン 03-5579-5182
ブルネロ クチネリ ジャパン 03-5276-8300
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