設定した目的地までのルートを、画像と音声を使って、分かりやすく案内してくれるカーナビ。知らない場所へ行く際も、カーナビの設定さえしておけば安心して移動することができ、もはやなくてはならない装備となっている方も多いだろう。
しかしながら、スマートフォンの普及によって、近年その存在が脅かされつつある。最近のトヨタ車では、「ディスプレイオーディオ」を標準装備しているモデルもあり、スマホを接続することでディスプレイにルート案内が表示され、純正カーナビと同じように使うことが可能。さらに、スマホの地図アプリでは、新設道路の対応も早いため、カーナビでよくある「リアルとの差」もない。もはや高額な純正カーナビは不要、と考えている方も多いだろう。カーナビはもう「オワコン」なのだろうか。
■カーナビも今後スマホ同等のリアルタイム性能に
これまでのカーナビの地図データは、SDメモリやハードディスクに記憶されているため、地図データを更新するには、ディーラーなどで、データの書き換えが必要。しかも書き換えは有償となるので、常に最新の状態を維持するのは、なかなか難しかった。
一方、スマホの地図アプリは、サーバー上の地図データを、国土地理院などのデータベースにある最新の地図データに更新するため、常に最新となる。もちろん使用するだけならば「無料」だ。一部のカーナビでは、データ通信器の搭載(と契約)によって、無線通信を利用したリアルタイムの地図データの更新が可能となってはいるが、月々の通信契約料はかかる。リアルタイム性だけを考えれば、カーナビもスマホも変わらなくなっていくだろうが、やはり、スマホの方がリーズナブルに感じる。
ただ、カーナビは予め登録したクルマのサイズも考慮してルートを設定するため、スマホでは「あるある」の、狭すぎる道へ誘導することもなく、安心して運転ができる。当たり前の機能を当たり前のように実現するのは、長年クルマに搭載することを前提に開発されてきた強みだろう。