その意外性から、話が弾むことも多々
さて、254回目も 舞い戻ってエルメス。ルーペがペンダントトップになったネックレスです。
え〜っと、以前も書きましたが、基本的にネックレスはしません。若い時分にはいろいろ着けていましたが、お守り以外で首からモノを提げるのは不要かなって思って やめてました。
なので、どれも譲ったりして手放してましたが、マルタン・マルジェラがエルメスのアーティスティック ディレクターに就任してケリーバッグに付いてたカデナを大きくしたネックレス「クロシェット」を筆頭に、エルメスがリリースしてきた面白いアイテムだけは使わないけど 手元に残してました。
この話にも案の定、にっくきコロナが関わるんですが、自宅待機中にクローゼットの整理をしてたら、すっかり持ってることすら忘れていたルーペ付きのネックレスが出てきたという。
他のネックレスたちは雑に扱っても問題ないから 普通に置いていた一方で、ルーペが付いてたコレは傷が付くのが嫌だから、付属の革ポーチに入れて丁寧に仕舞ってたんですね。その丁寧さが仇になって存在自体が忘却の彼方へ…。そして長い長い時を経て、パンドラの箱から ひょっこり顔を出すことになるわけです。
買った当時も それなりに高かったんですが、エルメスですからシルバー925を使ってたら、その価格では おさまらない。ステンレススチールだろうと思ってたら、しっかりとシルバーメッキで、刻印までされてました。
ルーペの刻印はあまりに小さくて、別のルーペで確認するという、なんとも間抜けな行為に苦笑いしましたが…。
そして、ここ最近もコロナの影響でタイドアップはおろか、シャツすら着る機会が減り、ニットやスウェットばかりの毎日。一応シャレたアイテムをピックアップしてはいますが、ロゴとかプリントは好まないため、興味のない方から見たら手抜きのオジさんと遜色がない。色やバランスには細心の注意を払ってますが そんなのは伝わらないし。
とは言え、遠出するわけでもないから気張って着飾るモチベーションにもなれません。
そんなときに役立つのが、このルーペ付きのネックレスなわけですね。ちょっとシャレて見える。
現時点では蔓延防止条例下で飲みに行けませんが、そこでも「えっ、ルーペ? なんで??」なんて聞かれるから、最近うっすら老眼が出てきたっぽくて 小さい文字が見えないからって答えると 話が弾む。で、エルメスだと分かると 破壊力アップ。界王拳でいうと3倍くらい。
こんな褒め方、まったく喜ばれないというか、なんなら嫌いだと思いますが、さすがエルメスです。ありがたや。
ちなみに、老眼かもは本当で。そろそろシャレた老眼鏡を探す準備も必要そうです……
Photo:Shimpei Suzuki
Text:Ryutaro Yanaka