どれをどう組み合わせても成立します
世界でも有数のウール産地である尾州(愛知県一宮市周辺)の技術力を生かしたコレクションを展開する「MOVB(モーヴ)」では、ウールジャージーの可能性を追求すべく、いろんなアイテムに用いてセットアップを中心に提案しています。
僕は昨年の立ち上げから関わらせていただいていますが、シーズンを重ねるごとに完成度が上がってきているのをひしひしと感じています。
今回、紹介するのは高級スーツでもあまり使用することができない希少なメリノウールSuper140sジャージー素材を使った機能的なセットアップとなります。このシリーズではコート(写真が間に合わず……すみません)を含むトップスを6型、ボトムス4型をご用意。
色は黒に限りなく近いネイビー1色だけにして、どれをどう組み合わせても成立するように、それぞれのデザインのバランスにこだわりました。
あと、もととなるのは同じ生地でも、アイテムの性質に応じて仕上げの染色整理加工をビミョーに変えているのもポイントです。
例えば、テーラードジャケットやミリタリージャケット、ライダースなんかを基本とすると、コートは少し硬め、逆にカーディガンジャケットやジョガーパンツはソフトに仕上げています。
ただ、着たときに感じる心地よさにフォーカスを当てているので、見た目はほとんど変わらないレベル。安心して上下で着用していただけます。
それはそうと、毎回サンプルをチェックするたびに思うんですが、このウールジャージーは本当に優秀。きちんと見えるのに着ていて楽なので、これならビジネス、スポーツ、遊びの境界線を軽々と超えていける気がします。
新型コロナウイルスの世界的流行で働き方が変わったいま、こういうものが求められていると思うんです。仕事場にしても、在宅ワークが増えたおかげで、従来の仕事着の定義は確実に変わってきていますから……。
個人的には、カーディガンジャケットに2タックパンツかジョガーパンツという組み合わせが気に入っていて、それにコンバットブーツを合わせるのが最近のマイブームです。ビジネスには難しいかもしれませんが、ファッション的に90年代のスタイルが気になっていることもあり、昔のプラダやジル・サンダー、ロメオ ジリ、ドルチェ&ガッバーナのへんがイメージなんですよね。
当時も、編み上げブーツを履いていたんですが、懐かしいというよりも2021年版として進化したスタイルになっていると思います。インナーもいつもの白Tじゃなくて、ネイビーにしてもカッコいいかも……。
(左)ミリタリージャケット 5万9290円
(右)ライダースブルゾン 5万5660円
/MOVB(MOVB)
*
(左)シンブル2Bテーラードジャケット 6万4130円
(中)ダブル6Bテーラードジャケット 6万7760円
(右)ラウンジカーディガンジャケット 5万9290円
/MOVB(MOVB)
*
(左)スリムテーパードスラックス 3万1460円
(中)1タックスタンダードテーパードスラックス 3万1460円
(右)2タックラウンジテーパードスラックス 2万9040円
/MOVB(MOVB)
*
ジョガーパンツ 2万9040円/MOVB(MOVB)
チェスターコート 8万8330円/MOVB(MOVB)
【問い合わせ】
MOVB
Photo:Ikuo Kubota(OWL)
Text:Toshiaki Ishii