英国ユースカルチャーを象徴する鉄板の一足です
第287回は、ジョージコックスのシューズです。
50年代のテディボーイ、60年代のモッズ、70年代のパンクスなど、今日のファッショントレンドにも影響を与えている英国ユースカルチャー。当時の若者がこぞって着こなしていたのが、「フレッド ペリー」のポロシャツや「ドクターマーチン」の8ホール。ご紹介する「ジョージコックス」のクリーパーもその一つです。
1906年にジョージ・ジェイムス・コックスが、靴づくりの聖地ノーザンプトンで創業。1949年に世界で初めて革靴にラバーソールを採用したシューズを開発したことでも知られる、英国を代表するシューズブランドです。
そんな同ブランドのアイコンである分厚いクレープソールを配した「ブローセルクリーパー」は、50年代にロンドンの不良少年集団であるテッズの間で人気に。その理由は、エッジの効いた面構えに惚れ込むとともに、レザーソールに比べて遥かに足音が響かないからだとか。
そのトレンドは後の70年代のパンクムーブメントに引き継がれ、かのセックス・ピストルズのジョニー・ロットンをはじめ、多くのミュージシャンの足元を彩りました。現代でも脈々と続く、ロックな男の鉄板シューズです。
なんと言っても目を引くのは、厚さ約4cmのクレープソール。上品な光沢を放つレザーアッパーと相まって、この上ない存在感を放ちます。とはいえ、その魅力はルックスばかりではなく、メイド・イン・UKにこだわり、伝統的なグッドイヤーウェルテッド製法を用いるなど、ノーザンプトン発らしい意匠も健在。
トレンドや時代に左右されずに男の“攻め”をアピールできるから、カジュアルはもとより、昨今のビジカジスタイルのアク足しにもぴったり。ベースが革靴だからスラックスとも好相性ですしね。
クレープソールと並んで同ブランド人気のエアクッションソールを採用した一足。シャープなトゥとドットスタッズを配した、ひねりのあるデザインが特徴。モダンな履き姿を提供するとともに、コーディネートに程よくスパイスを与えてくれます。
クラシック回帰の昨今にオススメな、外羽根式のウイングチップシューズ。上のクリーパーシューズより、やや厚さを軽減し波打つようなクレープソールが見どころです。アッパーのハイシャインレザーが、カジュアルなシューズに上品さをプラス。
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Takahiro Takashio
Text:Hayato Hosoya
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