いまは家の中でしか 着られないけど…
さて、170回目は 「アルマーニ エクスチェンジ」のカットソー a.k.a. ロンT。素材は、ペルー産のプレミアムコットン、細くしなやかで高級感のあるピマコットン(PIMA COTTON)です。
じつは「アルマーニ」って、少し敬遠していたんです。業界のパイセン方々が かつて大ハマりしていたり、バブルの頃は サッカー選手を筆頭にお金持ってますな方々が ネコも杓子もな感じで着ていて…。そして、さらにそのネガティブな名残が僕ら世代にも残っていたのか、大学とかでも おチャラい層が 本物か偽物かも怪しいロゴものや、Vネックのニットやワイドパンツを これ見よがしにアピールしてて あぁはなりたくないなと思ってました。
ただ、やっぱり「ジョルジオ・アルマーニ」のコレクションなんかを観ると惹かれるものはあるし、御大がコレクションのフィナーレで出てくる際に着ている、見るからに上質で着心地の良さそうなTシャツも いつかは欲しいなって。
で、実家の近くにあるアウトレットに行く度にフラッと立ち寄って、いろいろ探ってみていたんですが、買うほどのモノには出逢えず…。もちろん御大が愛用している件のTシャツも定番でしょうから、アウトレットに流れることはなく、申し訳ないことに 冷やかし客のような存在になってしまってました。
しかし ある日、下着でも買ってみようかと足を運び、「ジョルジオ・アルマーニ」だけに絞らず、「エンポリオ・アルマーニ」や「EA7」、「A|X アルマーニ エクスチェンジ」にまで視野を拡げてみたら、意外と欲しいモノがチラホラ。
そんな中で出逢ったのが、今回のカットソー a.k.a. ロンTです。
ホントなんてことはない白のロングスリーブなんですが、ピマコットンなので肌触りが柔らかく、この手のカットソーにありがちなビーチクが透けてしまうという難題もクリアする厚さ。
袖もリブではなく ただ叩いてあるだけなので、ニットなんかの下に重ねても袖口がもたつかない。まさに 一枚で着ても 重ね着に使っても重宝しそうな雰囲気だったんです。
そして清水ダイブを決定づけたのは、その価格。もう清水ダイブなんて言うのを憚るくらいに安価になっていて、申し訳ないくらい…。
まぁ ロゴ的なものも一切ないし、これを着ていてもアルマーニのモノだと分かるヒトは皆無でしょうから、売りにくかった結果なんでしょうが、それが僕には逆に好都合だったワケです。
自分に合ったサイズが残っているなら 救出的な意味合いも含めて すべて回収してこようと思ったんですが、残ってたのは2枚のみ。大きいサイズも買おうか悩んだんですが、重ね着した際にダブつくだろうからジャストなMだけ清水ダイブしときました。
ただ、買ってはみたものの意外に着ない……。水通し的な洗濯だけは済ませて、いつもの如くクローゼットに仕舞っていたんです。
そんなときに『WWD』に掲載されたアルマーニ御大からの公開書簡。全文は 『WWD』にて読んで頂くとして、その内容にひどくココロを動かされ、「大切に愛されるべきものだということを忘れて…」というフレーズにもビリビリきたので、すぐにクローゼットから引っ張り出し、袖を通して愛でることにしました!
#STAYHOME 継続中で 残念ながら家でしか着ていませんが、自粛が解除されたら 燦々と輝く太陽の下で謳歌したいな。
もしそのときに 脇が湿ってしまっていたとしても そっとしておいてね♡
Photo:Shimpei Suzuki
Text:Ryutaro Yanaka