ブラックのスリーピースって あんまりないでしょ?
3年ほど前から、外苑前にあるセレクトショップのB.R.SHOPがオンラインで運営する「B.R.CHANNEL」というチャンネルに出演させていただいております。
当初は、僕とビームスのクリエイティブディレクターの中村達也さん、当時『LEON』の編集長だった前田陽一郎さん(現レオン コンテンツ事業室 室長)、『THE LAKE JAPAN』編集長の松尾健太郎さんの4人がそれぞれパーソナリティとして1カ月に3〜4本の動画を作成していたのですが、いつしか企画が変わり……
現在は 「B.R.CHANNEL Fashion College」という番組名で、僕が講師を務め、ファッションに精通したゲストをお招きする内容になっています。
京都発のインポートメンズセレクトショップ「guji(グジ)」の存在を知ったのは、「B.R.CHANNEL Fashion College」の番組内で。ベーシックなアイテムをベースに“色”“艶”“夜”というキーワードをエッセンスに、ビジネスからオフまでの「勝負服」をセレクトしていると聞いて、俄然興味が湧きました。
このスリーピースはオリジナルレーベルのものなのですが、大阪の名門ファクトリー、リングヂャケットで作っています。リングの既製服は僕の体型に合うので、まずは試しにと思い、今年の頭にネイビーを購入。その後、六本木にある東京店でブラックも買いました。
スリーピースはトレンドの“英国調”の流れで注目していたのですが、それを押し出しすぎるのは今の自分には似合わないと思い、実はちょっと躊躇していたんです。
でも、クラシックではあまり使わないブラックにすることで、目新しく見えるんじゃないかと……。色がないことで、シルエットや仕立ての良さ、素材感にフォーカスが当たって、ストイックな着こなしができそうだなと。
モードではブラックスーツは当たり前のようにありますが、あれだとちょっとデザインが入り過ぎているので、クラシックスーツで試してみたかったんですよ。
それにブラックだったら、冠婚葬祭にも着られますから……。
“英国調”を感じさせるスリーピースでありながら、構築的な仕立てではなく、肩パッドなどは薄めにして着やすさを重視したつくり。生地もロロ・ピアーナ社の「FOUR SEASONS」を使うなど、イタリアの優美さも兼ね備えています。
1プリーツのパンツは裾幅を17センチにお直しして、5センチ幅のダブルで。ちなみに、ジャケットも着丈を1センチ、胴周りを2センチ詰めています。
結局、スーツはどこで買っても、こんなふうにお直ししてしまうんで、スーツはみんな同じような見た目になってしまうんです。
でもね、それでいいんです。僕のスタイル(型)だから……。
Photo:Ikuo Kubota(owl)
Text:FORZA STYLE