クルマの若者離れが叫ばれて久しい昨今。フォルツァ世代である40代の僕らは、スーパーカーブーム、F1ブームを知る最後の世代じゃないだろうか。 そんな40男をシゲキする、流麗なフォルムとスタイリッシュで力強い走りが魅力のクーペスタイルがBMWの6シリーズ。 その限定33台のスペシャルバージョンが日本に届いた。 そこで、本誌クルマ連載でおなじみのモータージャーナリスト、九島辰也さんと本誌編集長、干場義雅が緊急コラボ。その魅力に迫った!

40男が理想とする
全方位的クーペ

早速到着した特別限定車「640i グラン クーペ Celebration Edition Exclusive Sport」。
このクールなスタイリングを目の前に、成熟したオトナが語るクルマ談義。
アツい話のはじまりはじまり。

4ドアクーペという
新提案について

九島:ボンジョルノ!
干場:ボンジョルノ!(抱き合う!)
FORZASTYLE:のっけからイタリア色が……(笑)。ハイテンション、ありがとうございます。さて、もう本題に入っちゃいますね。 こちら日本に到着したばかりのBMW 6シリーズ グラン クーペの限定モデル。九島さん、どんなクルマなんでしょうか?
九島:デビュー時にプレビューを拝見して、まず面白いなって。7シリーズのセダンは保守的なマーケット、例えば中国のような新興勢力で特に人気がある。 そこから一巡回って成熟したカルチャーを持ったマーケットに向けた新しいカタチの提案なんだと。 つまり、年齢軸というよりも感度。保守的なものを認めながらも常に新しいものを探している。そんな人たちに向いているように感じたんです。スタイリングもとにかく格好いいしね。
干場:クーペって2ドアのイメージですよね。

九島:そう、基本的には2ドア。ただ、このグラン クーペには、4ドアなのにクーペという言葉を与えた。でも僕はそのプレゼンで、 4枚ドアのクーペというものをすんなり受け入れちゃったんだよね。だから、まさに感度の高いホッシーがどう感じるのか知りたい。
干場:4ドアだとエレガントだし、クーペスタイルなのがスポーティ。ミラノの人ってスーツも着るんですけど、カジュアルになったときにちょっとスポーティなんですよ。 エレガントにしてスポーティ。まさにこのクルマみたい。
九島:なるほど、イタリアで攻めてくるね(笑)。ごもっとも。
干場:ネイビージャケットに白いシャツでも、ラバーソールのスニーカーを合わせたり。“エレガントスポーティ”って言葉がぴったり。
九島:これね、国際試乗会やったのシチリアなんだよ。だから、イタリアに似合うっていうのもわかる。デザイナーももしかしたらそのへん、意識しているかもね。
干場:BMWって、僕の中で「ベスト・マチュア・ウーマン」(笑)。イメージは不二子ちゃん

なんですよ。スーツも似合うしスポーティなのも似合う。あ、九島さんみたい、九島さんもミステリアスじゃないですか? 何している人かわからない!(笑)。
九島:自分でもわからないかも、肩書きいっぱいあるからね(笑)。
干場:エレガントでスポーティだけじゃない。ミステリアスな感じ。それもまたいい!
九島:両方に属することによって、両方に属さないっていう二律背反があるのかも。
干場FORZASTYLE:深い!(笑)。

デザインと走りのバランス FORZASTYLE:やはりこの魅力的なデザインについては?
九島:これも、ある意味でBMWっぽくない。ブラック系の色みでもシャープというよりもグラマラスな感じでね。とっても艶やか。 4ドアなんだけど、サイドビューもしっかりとクーペしているんですよ。運転席座った?インテリアも流線型のデザインで格好いいよ。
干場:レザーシートも格好良かったですね。ピアノブラックのインパネ周りとキャメルカラーのナッパレザーがエレガント。僕、大好きですね。
九島:そもそもBMWって運転する人のためのクルマだから、昔の3シリーズに象徴されるように、ちょっとタイトで、男の仕事場的な印象だったんだけれど、 この6シリーズでは、仕事場というよりもラウンジみたいにリラックス感もある。でもね、走りはやっぱりBMWしてますよ。ステアリングの応答性、 行きたいほうこうにスーッと曲がる。ダンピングコントロールが聞いていて、取り回しは抜群。まさに“駆けぬける歓び”が感じられますよ。 もちろん助手席でも快適なんだな。このクルマ、4ドアにするためにホイールベースを伸ばしているんだけど、運動性能を保てるギリギリのところで止めているように感じます。それがBMWの哲学。
干場:ある意味でコンサバティブなんですね。守らなければいけない部分は守りつつ、みたいな。そういう哲学がちゃんとある。
九島:でも、ギリギリまでは攻めている(笑)。

どんな人に似合う?FORZASTYLE:なるほど、それぞれのバランスをギリギリまで攻めつつも絶妙なところでまとまっていると。実はこの限定車は、 一部の7シリーズよりも価格は高いですが、ハイグレードセダンを超えた魅力も存分に感じられますよね。干場さん、どんな人に似合うと思いますか?
干場:僕が思う格好いい男性って、スーツ、タキシード、Tシャツ&デニム、そして水着が似合う人。このクルマってこの4つ全部が似合うクルマだと思います。
九島:水着もいけちゃう?(笑)。その場合ってブーメラン?
干場:それは、もう……ブーメランですね(笑)。
九島:それは、ギリギリ攻めた結果かもしれないね。確かに7シリーズだとスーツ、タキシードは似合うけど、残り2つは微妙。
干場:そうですね、アクティブな要素は、こちらに軍配が上がります。
九島:だから、成熟したマーケット向けなのかも。より多くのニーズに対応できるわけだし。いや、ホッシー、マチュアってあながち間違ってない!(笑)。

まさに40男の理想のクルマかも!? FORZASTYLE:40代の男にとっての理想のクルマって、どうでしょう?
干場:家族があって、趣味もあって、仕事もある。スペースと財力があれば、何台も持てばいいのかもしれませんが、それを1台で済ませられればいいですよね。
九島:このクルマなら、40代の欲張りを全部まかなってくれるかもしれないよ。
干場:確かにそうですね。
九島:後部座席もゆとりあるし、サイドクリアランスもしっかりある。サルーンとしての機能は十分ですよ。
干場:グローバル感覚を持ち合わせている格好いい家族向け、かも。ファミリーくさくない。生活臭はゼロ。家族家族した幸せアピールってどうなのかなって。それは悪くないんですが。
九島:幸せは外にアピールするものじゃないからね。中で感じられればいいわけだから。そういう意味でグローバル感覚っていいね。グローバル感覚を持つ家族に向けた全方位的クーペ。
FORZASTYLE:なかなか斬新なクーペの提案、素敵です。
干場:なんか、すごーく欲しくなってきました!(笑)。これ40男、買うべきですね。
九島:ホッシーにとっても似合うと思うよ。
干場:1台、キープしておきますか!

モータージャーナリスト 九島 辰也 本誌クルマ記事も担当するフリーランスのモータージャーナリスト。広告代理店より自動車雑誌業界へ転身。「LEON」副編集長などを経て、現在は「MADURO」の編集人も務め、辣腕を発揮。クルマとファッション双方の魅力を理解する。

本誌編集長 干場 義雅 「LEON」「OCEANS」をはじめ、数々の雑誌編集を経たのち、ファッションディレクターとして独立。現在は本誌編集長を務める傍ら、TVやラジオでも活躍。ショップのイベントや講演会にも引っ張りだこのファッショニスタ。

知性を際立たせる
流麗なフォルム

今、子供たちにクルマの絵を描いてもらうと、多くは1ボックスかハッチバックの2ボックス。僕らフォルツァ世代が描いた3ボックスのセダンを見ることはほぼ皆無だそうだ。 遠い記憶に残るスーパーカーブーム。中高生のころ、夜更かししてTV観戦したF1ブームは、まるでおとぎ話だったかのように、時代は変わってしまったみたいだ。 そう、僕ら40代は、ある意味でスタイリッシュなクルマとは、何かを知っている最後の世代。フォルムにうるさい(はず)。 だから、きっと、このBMWの限定車に見るクーペスタイルは、グサリと刺さるにちがいないのだ。
BMWには、4シリーズと6シリーズという2つのクーペをラインナップする。4シリーズが、より高い走行性を求めているとするなら、こちらの6シリーズは、 走行性を維持しながらも快適な居住性も確保した、欲張りなモデル。クーペとサルーンを融合したようなものなのだ。 そして、グラン クーペという4枚ドアのグレードである点も、クーペデザインを成立させるには、障壁となりそうなものだが、BMWはいとも簡単にエレガントに仕上げてしまった。 クーペをクーペたらしめるのは、ルーフトップからテールに流れる緩やかなシルエットなのだが、ホイールベースの長いこのモデルにおいても、ご覧の流麗さ。 サイドビューでは、4枚ドアとしてのBピラーをサイドグラスと一体化させたデザインに落とし込む手腕に、思わず感動してしまう。
この限定車に関しては、インテリアにおいてもさらに充実。高級ソファにも見られるキャメルカラーのナッパレザー、そして、艶やかなピアノブラックのコンラストは極上の美しさ。 随所にレザーと合わせたブラウンのステッチも入る。外装のブラックとも相性は抜群で、ファッションとの相性も非常に高いのだ。 とりわけ、ファッションやデザインに関して感度の高い(クルマのデザインにもうるさい!)フォルツァ世代の男性なら、このクルマが織りなすデザイン性の高さに惚れ込むこと間違いなし!

  • TOWN-SIDE
  • DRIVING
  • COUNTRY-SIDE

CREDIT

TOWN-SIDE ジャケット7万5000円/ブリッラ ペル イル グスト、シャツ1万8000円/ビームスF、カーディガン3万5000円/ジョン スメドレー、ネクタイ1万2000円/エレディ キャリーニ、パンツ3万9000円/PT01、チーフ7000円/ジョバンニ イングレーゼ(以上ビームスF 新宿TEL.03-5368-7305)、シューズ 7万5000円/アレン エドモンズ(トレーディングポスト青山本店TEL.03-5474-8725)、腕時計私物

COUNTRY-SIDE M65ブルゾン14万8000円/フェイ(サン・フレールTEL.03-3265-0251)、中に着たシャツ2万5000円/ジャンネット、タートルニット3万4000円/ザノーネ、ストール1万8000円/ドレイクス(以上ビームスF 新宿TEL.03-5368-7305)、デニムパンツ5万8000円/ヤコブ・コーエン(ジャケットリクワイヤード 表参道店TEL.03-6427-1961)、シューズ8万2000円/クロケット&ジョーンズ(トレーディングポスト青山本店TEL.03-5474-8725)、サングラス2万7000円/ペルソール(サンライズTEL.03-6427-2980)

グッと引き締まった
大人のモノトーンにぴったり

ファッションディレクターでもある本誌編集長が、
今回のグランクーペにぴったりなコーディネイトで、
九島さんを特別にスタイリング!
トレンドでもあるモノトーンが似合うというのも、
このクルマの素晴らしさなのだ。

「6のクーペには、男版
“峰不二子”が似合います(笑)」

エレガントで、スポーティで、マチュアといえば、峰不二子(笑)。ということで、コンセプトは男版“峰不二子”。ワイルドなんだけど引き算でミニマルに仕上げました。男らしい九島さんは、服装をミニマルにしていくと、よりその骨太な印象が強くなって格好よく見えますよね。エンメティのレザージャケットに、ジャブスのスラックスは僕の今注目のブランド。引き締まったスタイリングで、引き締まったクルマを運転してほしいと思いました!ちなみに勢い余って、今日僕、ほとんど同じ格好なんです(笑)。

スポーティなクーペにはワイルドなのが似合うね

普段することないスタイルだけど、こうして着て見ると6シリーズにはぴったりと合うね。普段からタイトフィットが好きだから、今回のフィット感も僕好み。ホッシー、またコラボしよう!

CREDIT
ブルゾン10万9000円/エンメティ(阪急メンズ大阪☎06-6361-1381)、Tシャツ8000円/ジェームス パース(ジェームス パース 青山店TEL.03-6418-0928)、パンツ3万1000円/ジャブス アルキヴィオ(エフイーエヌTEL.03-3498-1642)、サングラス2万7000円/ペルソール(サンライズTEL.03-6427-2980)/シューズ私物

CATALOG

→
←

お問合せ先

BMW カスタマー・インタラクション・センター
BMW Japan 公式サイト