「いい物件があったと報告すると、いよいよ弱り始めた父を私一人に押しつけて、あんただけ悠々自適とかありえない!と姉は凄い剣幕で怒りました。それでも行くっていうなら、それなりに仕送りしろとのことです。お金の援助もないなら、もう一生恨んでやると。私、恐ろしくなってしまって…」
だが、鬼の形相になった姉に優しくする気は起きず、ましてや20年以上も前に出た実家に舞い戻るつもりも紀美恵さんにはない。
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