共働き夫婦が7割を超えるとも言われる昨今。
働きながら育児を頑張る方の中には、祖父母の協力が欠かせないという親世代も少なくなかろう。ただし、「孫育児」への協力を快く思う祖父母もいればそうでない方々もいることは事実だ。
危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は、祖父母の育児協力の注意点についてこう語る。
「祖父母なら誰でも孫の世話ができて嬉しいはずだと思い込んでいると、いつのまにか祖父母のストレスが増大してしまうケースもあります。特に同居の場合は育児も分業を明確にして、祖父母のプライバシーを尊重することが重要です」
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「世間では”孫育て10カ条”とか言ってますけど、第1条を知ってますか?
『育児の主役はパパ・ママ。祖父母はサポーター』なんですよ。要は出しゃばるなってこと。こんなことまでわざわざ触れ回るなら、主役にはちゃんと主役を演じてほしいものです」
スマホの検索結果画面を見せながらそう語るのは、今回お話を伺った65歳の片岡美知子さん(仮名)。
10年以上前に夫をガンで亡くし、2階建ての一軒家に1人で暮らしていたが、この春長男が転職を機に妻と孫2人を連れて帰ってきたという。
「夫が亡くなった時はもう2度と立ち直れないかもと思いましたが、何とか寂しさを紛らわせながらようやく1人暮らしに慣れ、数年経ったところでまたまた生活が一変です。正直なところ、戸惑いました」
美知子さんの長男は残業の多い職場に嫌気が差し、地元の中小企業への転職を決めた。美知子さんに対しては、採用が決まってから事後報告をしてきたという。引っ越しの日が決まった後で相談をもちかけてきたという長男を、美知子さんは「ずる賢い」と酷評する。
「アパートでも何でも借りたらいいじゃないと言うと、なるべく節約したいし、すでに引っ越し業者と契約をしたと。私になんの相談もなしに契約なんてあり得ません」