308、328、348、そしてF355へと連なるV8フェラーリ。それはピニンファリーナによる美しいデザインをまとったミドシップスポーツカーとしてエンスーおじさんの心に刻まれている。ちなみに、308は1975年~85年、続く328は1985年から89年、348は89年から94年、そしてF355は94年から99年という販売期間であった。
今回、東京都港区にある自動車販売店で見つけたV8フェラーリは、1998年式のF1マチックのベルリネッタである。グリジオチタニオ、つまりチタンのグレーという外装色に、タンレザーの内装を組み合わせた、なんとも上品な1台だ。
販売価格は1480万円。中古V8フェラーリの最近のトピックスとしては、308が328の価格を超えた、などいくつかあるが、思いのほか高騰していないように感じるのはわたしだけ? いや、空冷ポルシェはじめ、クラシック、ビンテージ問わず中古車の相場が全体的に爆上がりし過ぎているから、V8フェラーリにそう感じずにはいられないのだ。
走行距離は5万キロに近いものの、内外装ともにきれい。グリジオチタニオの深いグレーに目を奪われ、タンレザーの吸い付く肌触りにうっとりとする。タイミングベルトをはじめとする整備を150万円ほどかけて4.5万キロ時に行っていて、機関系トラブルの心配も多くはなさそうだ(もちろんそこはフェラーリであるから、定期的な整備は今後も必要で、費用もそれなりにかかる)。
F1マチックに心配をもつ方も多いだろう。とくに発進時は半クラ状態でアクセルをドカンと踏むと、壊れやすいと聞く。マニュアルよりも丁寧な運転を心がけたいところだ。ちなみに、エンスーおじさんが大好きなマニュアルならば、プラス500万円というのが相場だそう。
空冷ポルシェが300万円で買えた時代があった。1500万円でディーノが買えた時代があった。昔はよかった……なんて言ってると、憧れの車はどんどん遠くへ。まだ2000万円でリトラクタブルV8フェラーリは手に入る。
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