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【後編】「この問題で何がわかるの?」共通テストが改悪すぎる? 現役教員が嘆く新大学入試の欠陥。

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▶︎前編はこちら

前編あらすじ】

2021年からセンター試験に代わり、大学入試に取り入れられた「共通テスト」。さらに2025年からは従来の5教科7科目に加え「情報Ⅰ」が課されるということで、受験生や学校関係者の間で困惑の声が出ている。

このようにその出題形式や意図について様々な疑問が生じている「共通テスト」について、今回は現場の高校教員複数名に話を聞くことができた。

・・・・・・・・・・・・・

「私は、改悪だと思っています。特に国語という教科については、今まで通り、文章を読んでその文章についての問いについて解答するという形式で、問題発見能力も人と話し合うために必要な能力も養えると思いませんか?」

そう話すのは、桃子さん(仮名・40歳)だ。彼女はセンター試験時代から、受験指導に携わり続けてきている国語教員。

「国語という教科には、全てが詰まっていると私は思っています。著者の意見を理解して聞かれていることに解答できるということは、話し合いなどの場で自分以外の他者の話をしっかり聞いて理解する力があるということでしょ? 問われていることに明確に答えられるということは、問題を解決していることになるのだと思うし……。ただ、『共通テスト』に新たに加わった『資料やデータの読み取り』は改悪ではないと思います」

©Getty Images

彼女の言う『資料やデータの読み取り』というのは、2020年から段階的に『共通テスト』の国語に盛り込まれている問題で、2025年には一問の独立した大問として追加される。その問題追加により試験時間は10分増加する予定だ。

「ただ時間が長くなるということよりも、内容を見ていくべきだと私は思います。2025年に追加されるのは『実用的な文章の読み取り』という問題。報道や広報の文章、会議や裁判などの記録、報告書、説明書、企画書、提案書などの実務的な文章に加え、法令文や電子メール、ネット上の情報を『実務的な文章』ととらえているので、これは確かに、これからを生きていく子どもたちには必要な力だなあと思います。最近話題のChatGPTについても、作成された文章の正誤を判断できる力が使う側に求められていますから、何もかもが良くないということではないなあとも思っています」

桃子さんはそう言って考え込むような表情を見せた。

「『共通テスト』が目標として掲げる『思考力・判断力・表現力が身についているのかを明確にする試験』というのがもう、あいまいですよね。」

そう言って笑うのは、桃子さんの同僚で30年間数学を教えてきた真知子さん(仮名・53歳)だ。



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