「闇バイト」に応募するか迷っている人へ
(はじめに一番大切なことを書きます。どこかの誰かに届きますように)
「闇バイト」に応募するか迷っている人へ
闇バイト、なぜSNS経由で募集しているのか、ちょっと考えてみて下さい。得する話、うまい話、楽な儲け話なら、そもそも自分でやるか、もしくは知り合いにやらせるんですよ、恩も売れるし。
わざわざ見ず知らずの他人(=あなた)にやらせる理由は、このネタが美味しくない話だから。捕まる可能性が高いからです。自分の知り合いには頼みたくない。そして、あなたが逮捕されても主犯が捕まらないようにしたい。だから面識のないあなたにやらせたいのです。逮捕される可能性が高い、一番危険な役割を。
相手はプロの犯罪者、見知らぬ他人に報酬を与えるほどお人好しじゃありません。というか最初から切り捨てるつもりでしょ。つまりあなたは「使い捨ての無料アイテム」なんです。バカにされてるんです。それでも闇バイトに応募するんですか?
俺はうまくやるって? テレグラムでやりとりするから、ちゃんと成功して逃げ切れば、自分の身元はバレないって? 最近の警察はテレグラムの内容をかなり解析できるようになっていますけどね。
銀座の事件
ショーケースを叩き割り、不慣れな手つきで高級時計をかき集める覆面集団。その一部始終を撮影し、ツイッターに投稿する通行人。逃走する犯人の姿や車両のナンバーはすぐにネットで拡散……。
先週、まだ明るい銀座で起きた強盗事件は、どう考えてもすぐに捕まるだろ、という素人丸出しの雑な犯行でした。だって道行く通行人に入口ドアを何度も閉められてたし、逃走車は思い切り赤坂の袋小路に突っ込んでたし。
逮捕された実行犯が全員10代だったのも衝撃でした。中には16歳の少年もいたそうで……16歳なんて下手したらこの春まで中学生ですけどね。
奪った品物は、シリアルナンバーの刻印がある、換金の難しい高級時計。盗品であることがすぐにバレるので、高値で売りさばくことは困難だし、襲われた店舗だって、ショーケースを割れば警察に通報が飛ぶ仕組みだったし、メンバーには「ほぼ中学生」がいたし、とにかく最初から「成功させるつもりあるのかな?」という、雑な強盗事件でした。
アホな犯罪に巻き込まれて殺されないために
私の勝手な想像ですが、今回の事件って最初から成功させるつもり無かったんじゃないでしょうか?主犯格の持ち出しコストは盗難ナンバーぐらい。何も失ってない。今回はテストだ、失敗しても構わない、闇バイトに応募してくるアホはいくらでもいる。次は別のパターンで試そう。だとしたらコレ……今後も続きますよ。
これからの日本が、アメリカみたいな雑な犯罪ばかり起き、それに巻き込まれて人が死ぬ、そんな社会になるかならないか、私たちは今、正念場を迎えているのかもしれません。もちろんそんな日本はゴメンですよね。世界に誇る治安の良さを、反社会勢力の利益のために失うワケにはいかないのです。
私たちに今できることは、闇バイトに応募することは爆裂的に無益であり「人生台無し直行便」であることを、広く世の中の常識とし、若い世代にもしっかり伝え、闇バイトを「永遠に人手不足」状態に陥らせることです。
ホント、どこかの誰かに届くと良いな……。
Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員)
※本記事のタイトルはFORZA STYLE編集部によるものです。