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LIFESTYLE 女たちの事件簿

AVがお手本のあり得ない行為、子宮内膜症、加齢....性交痛に悩む女性たちのリアル。

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不倫や浮気、DVにプチ風俗……。妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちが密かに抱えている秘密とは? 夫やパートナーはもちろん、ごく近しい知人のみしか知らない、女たちの「裏の顔」をリサーチ。ほら、いまあなたの隣にいる女性も、もしかしたら……。

首都圏に複数院を展開する某クリニックが実施した「性に関する男性と女性の”ホンネ”実態調査」によれば、20代~50代の女性650人に聞いたところ、「性交時に痛みを感じたことがある」と答えた人は全体の約67%で、痛みがないと性交時の満足度が高くなると答えた人は全体の約87%に上ったという。

女性が性交時に痛みを感じる背景にはいろいろあり、病気や体の変化による痛みもあれば、相手からの乱暴な行為によって苦痛を味わう場合もある。しかし、相手の機嫌を損ねたくない、ムードを悪くしたくないなどと思うあまり、痛みを我慢しているケースも実は少なくなさそうだ。

梶浦由衣さん(仮名)は、AVに影響を受け過ぎている夫の行為が苦痛でたまらないという31歳の女性。

由衣さんの夫は性交する時間が長ければ長いほど女性は喜ぶと思い込んでいるフシがあるのだそう。由衣さん自身も、昔の彼氏などとAVを観た経験がある。何本か観て、そこには共通点があると感じた。


©︎gettyimages

「AVって、何度も体位を変えたりしてやたら長くやりますよね。うちの夫は、明らかにあれを真に受けてお手本にしてる。長くやらないと女は喜ばないと思ってるんでしょうか。逆なんですよ。痛くなっちゃって無理です」

相手の感じ方や気持ちなど想像せず、ただAV出演者の演技を本当のことだと思い込み、忠実に再現しているかのようなセックスをすることが腹立たしいと由衣さんは言う。

「相手を思いやれない一人よがりです。想像力が足りないのかな。映画とかアニメをノンフィクションだと思って観る人、あまりいませんよね。夫はAVをノンフィクションのような感覚で観てると思うんです」

夫は行為中に手荒な真似をすることもある。冗談で「それDVだよ」と呟くと、「本当は嬉しいんだろ。もっとしてって、そのいやらしい口で言ってみろよ」と素っ頓狂な返しをしてくるのだとか。

由衣さんが恐怖しているのは指の激しい出し入れだという。

「たぶんAVで女の子がよがっているから、その演技を真に受けてると思うんです。あれは女優さんが我慢して演出に合わせてるに決まってるのに、全然わかってない。昔つき合ってた人も勘違いしてました。『AVだとみんなこれでイッてるよ。気持ちいいんじゃないの?』と言っていましたね。バカなのかなって思っちゃいます。そこをガンガンすれば女は気持ちよがるって本気で思ってる。痛みしかないんです。迷惑です」

時には夫は由衣さんの後ろに回り、臀部を思いきり叩きながら性行為を行うこともある。

「激しくすると気持ちいいと勘違いしているのも全部AVの影響な気がします。そういう性癖でもない限り、叩かれて喜ぶわけないんです」

由衣さんは、時に拒みながらも、ついつい合わせてきてしまっていた自分にも嫌気が差しているのだと語る。

「正直、いま仕事をしていなくて食べさせてもらってるから、立場が弱いので合わせてしまっている自分もいます。機嫌を損ねたら面倒だな、とか思ってしまうんです。私も早く仕事見つけて自立しないと……」

楽しめているうちは演技するのも悪くはなかった、と由衣さんはかつての性行為を振り返った。

「多少の演技はコミュニケーションをスムーズにするための必要悪という面もあると思うんです。でも、苦痛になったらそれも続かないし、続けちゃいけないと思う」

後編に続く。

取材・文/中小林亜紀

▶︎後編に続く


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