■訴求ポイントがてんこ盛り 欠点が見当たらないN-BOX
徹底的な低床パッケージング、驚くほど広い後席、高品質なインテリア、全車標準装備したホンダセンシングなど、訴求ポイントがてんこ盛りのN-BOX。走りの質感の高さも、軽の平均的なレベルを超えており、フィットやフリードなどのコンパクトカー乗っているような満足感と安心感がある。
強いて弱点を挙げるとするならば「価格の高さ」であるが、これはほかの軽スーパーハイトワゴンも同じで、むしろ先進技術をてんこ盛りしているのに200万円未満の予算で収まるのであれば、リーズナブル。軽スーパーハイトワゴンで一台選べといわれたら、やはりN-BOXを選ぶだろう。
これらパッケージングの良さやインテリアの質感、走行性能の性能といった現行型の強みは、次期型になっても引き継がれていくことだろう(迷走しがちなデザインは不安だが)。次期N-BOXにおいて、最大のホットポイントはやはりパワートレインだ。
■次期型登場時はガソリン車とターボ車のみ?
現行N-BOXのパワートレインは、NAエンジンとターボエンジンの2基のみで、電動化については、マイルドハイブリッドすら設定をしていない。(ハイブリッド化せずとも)他車の軽スーパーハイトワゴンと燃費の面で戦える水準にいたこと、コストアップを抑制したかったこと、パッケージングが厳しかったこと、日本専売の軽モデルに電動ユニットを投資しても薄利であると判断など、いくつか理由は考えられるが、他メーカーの動向を考えれば、そろそろN-BOXについても、電動化ユニットを本格検討しているはず。
2022年4月に登場した、軽初となるバッテリーEVの日産サクラ/三菱ekクロスEVは、登場するや否や人気沸騰、サクラは、2022年3月末時点で4万2000台を販売したという。ホンダも、N-BOXの兄弟車であるN-VANの軽貨物バッテリーEVを、2024年より販売する計画を既に発表しており、つい先日には、N-ONEベースのバッテリーEVを、2025年ごろリリースする旨を発表している。
タイミング的には、「N-ONE EV(仮)」よりも、2024年までに登場する次期N-BOXのほうが先になるが、フルモデルチェンジの周期や政府などのカーボンニュートラルに向けた目標などを考えれば、このタイミングでのバッテリーEV登場ではなく、おそらく次期N-BOXは、2023年(もしくは2024年)にガソリン車とターボ車のフルモデルチェンジを発表したうえで、2027年ごろのマイナーチェンジで「N-BOX EV」を追加してくるのではないだろうか。