主婦の「万引き」は経済状況に関係無く頻発している
平成26年版 犯罪白書によると、万引きをした女性のうち約24%が「安定した収入がある者」であり、特に女性の犯罪者は「経済状況に問題がない」ことが分かっている。
また、某NPO法人の調べでは万引きに手を染める者の約半数が、犯罪を繰り返しており、特に主婦による万引きの割合が多く小売業者は頭を抱えているという。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
四国に住む日下部理彩(仮名・32歳)は、3歳年上の夫と義母の3人で暮らしている。二世帯住宅なので義母とのトラブルも無く、夫との生活にも取り立てて大きな不満も無く平穏に暮らしてきた。
しかし、その平穏すぎる毎日から、理彩は刺激を求めてある行動に出てしまう。それは、いつも通っているスーパーでの万引きだった……。
彼女の夫である隆さんは、このように語っている。
「妻の異変に気づいたのは、2年前だったと思います。私たちの家の隣に、シングルマザーの若い女性が引っ越してきたのですが、その人がマルチ商法にどっぷりハマっているみたいで、妻にも執拗に勧誘をしていたようなんです……。私の実家はいわゆる地主であり、義母も自分達の財産で豊かな暮らしをしていますし、私たちにも生前贈与というかたちで、金銭的な蓄えは十分にあります」
実際に隆さんは理彩に対して、毎月十分過ぎるほどの生活費を渡しており、その使い道について細かく指示することは無かった。
このため、理彩に万引きをする理由は一切無かったのだが、彼女は去年と今年の2年間ですでに5回も捕まっている。
彼女は毎回、3階のコスメ用品のコーナーか婦人用品のアクセサリー売り場で万引きを繰り返していたそうだ。
「このスーパーを経営しているのが、僕の親友の家なので毎回、万引きをした商品の代金を支払ってなんとか、警察には通報されずに済んでいるのですが……正直疲れました」
☆なぜ理彩は万引きを繰り返してしまうのか。次回では、理彩がストレス発散の手段に「万引き」を選んでしまった背景を探っていく☆
ライター 膳場恵子