「…私、小さい頃から取り柄がないって親に言われてたんだよね。綺麗でもないし、勉強できるわけでもないし。何か突出した才能でもあれば良かったんだけど、それもなくてさ。
そんなときに、親しくなった男性から、『男はセックスが良かったら絶対戻ってくる』って聞かされて。どうやら私にはその才能があったらしいの。
だから、体の関係になったら絶対満足させるって、なんだか呪縛みたいに思うようになっちゃって。やれることは全てやってきたかな」
「え……」
麻実は絶句した。セックスに一番遠いところに居そうなユリの言葉に驚きを隠せなかった。
「だんだん『男って単純』と思うようになってさ。結婚しなくたって、お金が足りなくなったら融通してもらえるし。彼っていうよりも、そういう関係の人を何人も持つほうが束縛されないで気もラクだしね」
「でも、いつまでもそういうこと続けられないんじゃない? 避妊は?」
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