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HEALTH 「超名医に聞け!」

歯周病が寿命を縮める。現役歯科医が語る、国民皆保険制度の問題点。

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——なるほど。ところで、虫歯菌と歯周病菌は違うのでしょうか。

「はい。まったく違います。虫歯菌は口の中の磨き残し(糖)を酸に変える菌です。よく悪魔がドリルで歯を削っているイラストを見ますが、虫歯菌が直接歯を溶かすわけではなく、虫歯菌がつくりだす酸が、歯を溶かします。これが虫歯発生のメカニズムです。歯は表面が硬いエナメル質、その下はやわらかい象牙質の2層構造になっています。象牙質の下には神経や血管が詰まっている根管と呼ばれる空洞があり、ここまで虫歯が進行すると、神経が炎症を起こして激痛が走る。ここまで達すると、もう神経を抜くしかありません。

一方の歯周病菌は、主に歯と歯茎の間の歯周ポケットといわれる溝と舌の上に住み、歯を支えている土台の顎の骨を溶かしてしまうのです。すると、土台を失った歯はグラグラしてきてしまいにはポロっと抜け落ちてしまう。これが歯周病のメカニズムであり、日本人が歯を失う最大の原因です。痛みも自覚症状もなく進行していくので「サイレントキラー」とも呼ばれます。成人の5人に4人が罹っているといわれており、国民病といっても過言ではありません」

——歯を失う理由の多くは、虫歯だと思っていました。歯周病を防ぐためには、どうすればいいか教えてください。


©︎gettyimages

「丁寧に歯を磨いて、歯垢や歯石が増えないようにしたとしても、それだけでは細菌群のコントロールには不十分です。歯磨きはもちろん丁寧にやったほうがいいですし、やらないに越したことはない。しかし、最も声を大にして言いたいのは、いつまでも自分の歯で健康に過ごすために欠かせない「口内細菌バランスの正常化」です。そのためにも、自分の口内環境を信頼できる歯科医と相談する積極的な意識を持っていただけたらと思います。



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