厚生労働省によると離婚件数は2000年にピークを迎え、現在は緩やかな減少傾向にあるそうだ。とはいえ、離婚数と婚姻数を比べてみると3組に1組は離婚をしているという計算になる。
なかでも熟年離婚は昨今クローズアップされることの多い話題でもある。ところが、近藤謙也(仮名・58歳)は自分にはまるで関係のない話だとタカを括っていたそうだ。こういう男性は、案外多いのではないか。
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「熟年離婚が増えているとワイドショーや週刊誌なんかで目にすることはありましたが、全くピンときていませんでした。喧嘩や意見の違い、いろいろありますが、それも含めて夫婦でしょう。30年連れ添ってきた情もありますしね」
謙也は建築会社を経営している。大きな会社ではないものの従業員が徐々に増え、今では15人ほど職人を抱えており、経営も順調だ。
「若い頃は腕一本で稼いでいましたが、それだと長くは続かないと思い、34歳の時に会社を設立しました。細々と、でも着実に会社を大きくしてきたつもりです。裕福な生活とまでは行かなかったかもしれませんが、何不自由ない暮らしを妻にも子どもにもさせてこられたという自負はありますね」

自信満々に語る謙也は、職人出身だけあってガタイがいい。筋肉がしっかりとついたしなやかな見た目で、実年齢よりも若く見える。太らないよう食事にも気を配り、ジム通いも欠かさないという。しかしそれもこれもすべてはモテたいという下心に繋がっているそうだ。
「僕、女の子が大好きなんですよ(笑)。キャバクラはもちろん、風俗、メンズエステなんかにも行きますね。もちろん、妻にはバレていますがもう嫌がられることも、止められることもありません。慣れたというか、慣れさせたというか……。どちらにしても寛容な妻ですよ」
豪快に笑う謙也だったが、妻はそんな風には思っていなかったらしい。謙也はこの後、しっぺ返しを食らうことになる。