「最初はムラムラを発散できればいいなって思ってたんです。一回くらい利用するだけのつもりで。それがあまりにドンピシャで可愛くて。自分でもそこまでハマるとは思わなくて。会って別れた後にまたすぐに会いたい、みたいな」
官能小説家、大泉りかが「男を買う」女の心の内に迫るレポートシリーズ第十回、希美さん(仮名、42歳、介護士)の場合。前回は「セックスが嫌い」という希美さんが女風に通うようになったきっかけをお伝えしたが、今回は彼女の現在ハマっている「女風(女性用風俗)」についてお話を伺った。
※この記事は取材を元に構成しておりますが、個人のプライバシーに配慮し、一部内容を変更しております。あらかじめご了承ください。
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希美さんの今の“推し”は、「女風」のセラピストのシオン(仮名)だ。
デートや泊まりコースも含めて多い時で、ひと月に三十万近くも費やすこともあるという。なぜそこまでハマったのか。
「わたしも女風を使うのは初めてではなかったので、シオンくんとも『イチャイチャさせてもらおう』みたいな感じだったんですよ。
でも、一緒にシャワーを浴びるっていうので、服を脱いでいる最中に、いきなりアソコを舐めてきたんです。
こっちは立っている状態だったんですけど『下着、エロい!』とかいいながら、まずはショーツの上から舐められて。こっちは戸惑って『いや、ちょっと待った』っていってるのに、小悪魔的なふるまいで止めないところが、わたしの性癖に刺さって」
シオンは、施術の腕もよかった。
「これまでは、耳ってあまり責められたことがなかったんですけど、『こんなに気持ちいいんだ!』って知って。
性感マッサージ中は、とにかくエロ可愛くて、笑顔もよくて。甘え上手で、施術が終わった後に雑談をしていたら『甘い物が好き』だっていうから、『この時期は、かき氷とか食べに行くんだよね』って言ったら『行きたい!』って言われて、その場で一週間後に予約を入れました」
女風セラピストとのデートの実態は? また希美さんはその費用をどうやって捻出しているのか? 後編でさらに詳しく紐解いて生きます。
Text:大泉りか
「大泉りかの女風レポート」連載。過去記事はこちら
【第1回】「女性用風俗のお客は『経験のない人』と『経験の豊富な人』に分かれる」女風(ジョフウ)の情報サイト編集長が語る「オトコを買う女たち」
【第2回】「女性風俗の客は120分の利用、一回の予算は2~3万円が多い」知られざる“女風”の世界で働く「男性セラピスト」の実態
【第3回】「最初はおじさまセラピスト」41歳の人妻はどうやって「女性用風俗」の世界に足を踏み入れたのか?
【第4回・前編】「配偶者とは3回しかセックスしたことがない」セフレから女性用風俗へ移行した41歳女の告白
【第4回・後編】「女性用風俗の利用者の4割は既婚者」女たちが風俗に通い、そしてハマる理由
【第5回】「どうせ死ぬなら…」うつ状態の処女が足を踏み入れた “女性用風俗”
【第6回】「やったことのない“性的なこと”を、潰していきたくて」女性用風俗で“探究”し続ける28歳のデザイナー