【後編】浮気の証拠をどうしても掴みたい！66歳元税理士が陥った「オセロ症候群」の癒し難い闇。

【前編あらすじ】

妻が浮気していると頑なに信じ、調査するように指示してきた今回の依頼主だったが、探せども探せども「妻はシロ」。その結果に満足しない元税理士の夫は…。

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すると、牧内氏はこう答えた。

「隣人は、元携帯電話会社に勤務していた人で、今はご家族と別居して、個人で仕事をされているようです。
おそらく、彼は前職の技術を活かし、携帯電話の電波をハッキングするシステムを自宅で構築しています。それを使って、私が携帯で探偵と話している内容を、全て盗聴しているんです。だから、調査する日がばれていて、その日は妻と会わないようにしているのだと思います」

携帯電話会社に勤めていたからといって、特定の携帯電話を盗聴できるようなシステムを自宅に構築できるような人物は、たぶん、そうはいない……。しかし、牧内氏は、妻の浮気調査が成功しなかったのは、そのせいだと完全に思い込んでしまっていた。