■いまでも軽自動車や商用車では、フラップ型を採用するものも
一般的な乗用車の多くが、グリップ型のアウタードアハンドルを採用しています。が、トヨタ「ハイエース」や「タウンエース(ダイハツ・グランマックスのOEM)」、日産「キャラバン」や「NV200バネット」、「フェアレディZ(RZ34)」、ホンダ「ヴェゼル(後席ドア)」、スズキ「ジムニー/ジムニーシエラ」「アルト」「エブリイ/エブリイワゴン」「スイフト(後席ドア)」「キャリイ」、そしてダイハツ「アトレー」「ハイゼット」「グランマックス」などは、現在もフラップ型を採用しています。
また、小型トラック/ダンプの三菱ふそう「キャンター」や、日野自動車「デュトロ」もフラップ型のアウタードアハンドルです。これより大きい、中型以上のトラックになると、グリップ型のアウタードアハンドルを採用しているようです。
■小さく、軽く、安くつくることができるのがフラップ型のメリット
フラップ型の最大のメリットは、「コストが安い」ということです。グリップ型と比べて構成部品が少ないので、小さく、軽く、安くつくることができます。そのため、商用の軽自動車や小型トラックなどで、多く採用されています。
また、カーデザインにおいて、ドアハンドルは存在感を消したいパーツのひとつであり、フラップ型のほうが、ドアハンドルの存在感を消すには有効で、スタイリッシュにみせることができる、というのもメリットです。スイフトやヴェゼル、ジューク2代目(欧州)のように、後席用のアウタードアハンドルをフラップ型にすることで、2ドアのクーペSUV風に魅せる事例も増えてきました。
かつては、ボディ側面へ出っ張ることが少ないフラップ型のほうが、空気抵抗の低減に効果的、とされていましたが、シミュレーション技術の進化によって、空気抵抗の低減(風切り音にも)には、車体後方のボディ形状や、サイドミラーの形状など、アウタードアハンドルよりも大きな突起物を念入りに設計するほうが、何倍も影響度が高いと分かってきたことで、そのメリットは小さくなりつつあります。